共和党州、激戦州でバイデン氏リード、米大統領選世論調査

(米国)

米州課

2020年07月28日

米国コネチカット州のキニピアク大学が7月22日と23日に、テキサス州外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますフロリダ州外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでの世論調査(注1)結果を相次ぎ発表した。

ジョー・バイデン前副大統領とドナルド・トランプ大統領の大統領選挙での直接対決を想定した設問で、共和党の勢力が上回るテキサス州では民主党のバイデン氏が1ポイントリードした(バイデン氏45%、トランプ氏44%)。共和党、民主党の勢力が拮抗(きっこう)し激戦が予想されるフロリダ州では、バイデン氏が13ポイントリードしトランプ氏を引き離した(バイデン氏51%、トランプ氏38%)。

キニピアク大学世論調査アナリストのティム・マロイ氏は、テキサス州の状況について、民主党支持者のバイデン氏支持率が94%、共和党支持者のトランプ氏支持率が89%と極端に分かれていることから、「コロナ危機などで国が分断され、民主党、共和党の違いが鮮明で、同州で激戦の様相だ」と述べた。

全国の世論調査の7月9~24日の平均値では、バイデン氏の支持率は50.6%とトランプ氏(41.3%)を9.3ポイント上回った(リアル・クリア・ポリティクス調査)。

トランプ大統領の仕事ぶりに対する支持率は、テキサス州では、6月と変わらず45%、フロリダ州では、4月の45%から40%と5ポイント下がった。同大統領の新型コロナウイルスへの対応を支持するとの回答は、テキサス州で45%、フロリダ州ではより厳しい37%という結果だった。

バイデン氏、トランプ氏のいずれがより良い仕事が期待できると思われるかという問いに対しては、経済、新型コロナウイルス対策、ヘルスケア、危機管理、人種問題の項目について、経済ではトランプ氏が上回ったものの、その他の項目では、バイデン氏と互角あるいはバイデン氏が上回った(注2)。

また、テキサス州、フロリダ州はともに全米で新型コロナウイルスの陽性率(検査数に対する陽性者の割合)が高い上位10州に含まれており(注3)、テキサス州では66%が身近な人が感染したと回答した。フロリダ州では、70%が感染拡大を抑制できてないと回答し、感染拡大に危機感を抱えていることがわかった。

(注1)調査実施時期は、両州とも7月16~20日。テキサス州の有権者880人、フロリダ州の有権者924人対象。

(注2)○テキサス州世論調査結果:経済(トランプ氏56%、バイデン氏40%)、新型コロナウイルスへの対応(45%、48%)、ヘルスケア(47%、47%)、危機管理(47%、47%)、人種問題(39%、51%)、○フロリダ州世論調査結果:経済(トランプ氏50%、バイデン氏47%)、新型コロナウイルスへの対応(38%、58%)、ヘルスケア(39%、57%)、危機管理(42%、55%)、人種問題(35%、58%)

(注3)7月13~19日の州別陽性者のデータ(出所:The Covid Tracking Project)によれば、陽性率はフロリダ州が全米3位(18.7%)、テキサス州は8位(15.1%)。全米50州の平均値は8.5%。

(松岡智恵子)

(米国)

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