日ASEAN、経済・産業協力に関するアクションプランに合意

(日本、ASEAN)

アジア大洋州課

2020年08月04日

経済産業省は7月29日、日ASEAN経済大臣特別会合において、「日ASEAN経済強靱化アクションプラン」の発出を日本ASEAN間で合意した。同アクションプランは、今年4月に発出された「経済強靱性に関する日ASEAN共同イニシアチブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2020年4月28日記事参照)に基づき推進する、50を越えるプロジェクトを盛り込んでいる。経済産業省は、新型コロナウイルス感染拡大を受けた中での経済・産業協力に関する具体的なアクションプランの発出は世界的にも先駆的な取り組みとする。

アクションプランは大きく3つに分かれる(添付資料表参照)。第Iは、日本とASEANの緊密な経済関係を確認するものだ。例えば、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の年内妥結、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)による各国の非関税措置に関するデータベース整備などが挙げられる。第IIは、新型コロナウイルスによる経済の悪影響を緩和するプランから成る。現地進出企業向け情報発信ウェビナー開催などのハンズオン支援やデジタル技術の社会実装推進などが含まれる。具体的に、ジェトロは日本企業と現地企業との協働によるデジタル技術を活用した実証事業を通じて、ASEANにおける経済・社会課題を解決し、日ASEANが一体となってデジタルイノベーションの社会実装を進める「アジアDX促進事業」を開始している。

第IIIは、未来に向けた共創となる経済強靭化の推進だ。今回の危機を契機に、将来に向けた強い経済を構築することが日本には必要で、そのためには日本がこれまで形成してきたASEAN地域のサプライチェーンの強靭化を進め、産業高度化を推進することや医療・教育等におけるイノベーションの推進や強固なエネルギー構造の構築に主眼を置く。具体的には、海外サプライチェーンを多元化するための補助金や日ASEANスマートシティ協力の推進などが挙げられた。

(新田浩之)

(日本、ASEAN)

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