ウィーン市などを初の「高リスク」に引き上げ、感染拡大防止措置も強化

(オーストリア)

ウィーン発

2020年09月24日

オーストリアでは新型コロナウイルス感染者数が著しく増加しており、「コロナ委員会」(注)は9月14日、この状況を受けて「コロナ信号」のリスク区分を更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2020年8月28日記事参照)。ウィーン市、インスブルック市(チロル州)などは「中リスク(黄色)」から「高リスク(オレンジ色)」に引き上げられ、これまで「低リスク(緑色)」だった多くの主要都市も「中リスク(黄色)」に引き上げられた(添付資料図1、図2参照)。

また、9月21日からオーストリア全土で、新型コロナウイルス感染拡大防止措置が強化された。主な内容は以下のとおり。

  • 屋内での私的イベントの参加人数を最大10人とする。自宅で行う場合には、義務としないが10人以下を推奨。葬式は500人まで参加できるとし、宗教行事は除外する。
  • 飲食店で1つのテーブルに座れるのは10人までとする。飲食は着席時のみ許可される。これまでは従業員だけだったマスク着用を、利用客にも着席時を除いて義務付ける。レストランの営業時間は午前1時まで。さらにザルツブルク州、チロル州、フォアアールベルク州は自主的な措置として、飲食店の営業時間を午後10時までにすることを決定し、25日から3週間の限定措置として実施の予定。
  • 屋外で開催される市場や展示会でもマスク着用を義務化(既に公共交通機関や店舗などでのマスク着用義務は導入されている)。

欧州諸国もオーストリア、特にウィーン市の感染者増加を注視しており、スイス、ドイツ、ベルギー、オランダは、ウィーン市を感染リスク地域に指定し、旅行警告レベルを引き上げた。スイスでは、過去10日間に24時間以上ウィーン市に滞在した入国者に対して、入国後2日以内の管轄局への報告と10日間の自主隔離を義務付けた。ドイツでは、陰性証明書の提出と必要に応じた自主隔離、ベルギーでは陰性証明書の提出と14日間の自主隔離が要求されることになった。ウィーン市と併せてチロル州のインスブルック市をリスク地域に指定したオランダは、10日間の自主隔離を義務付けた。

(注)州の代表や専門家ら19人からなる機関。特定の地域ごとに信号機の色の適用を査定する。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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