12月からアルコール飲料のオンライン販売禁止

(タイ)

バンコク発

2020年09月30日

タイ政府は2020年9月8日付で、タイ首相府告示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語仮訳PDFファイル(139KB))を官報に掲載し、電子的手段または電子的形態によるアルコール飲料販売を禁止し、12月7日から施行することを発表した。違反した場合は、1万バーツ(約3万3,600円、1バーツ=約3.36円)以下の罰金か6カ月以下の禁錮刑、またはその両方が科せられる。

タイではアルコール飲料に対する規制が日本よりも厳しく、これまでも販売時間帯制限や広告規制などがなされてきた。これらに加え、今回、eコマースなどの電子的手段・形態によるアルコール飲料の販売禁止にタイ政府が新たに踏み切った背景には、新型コロナウイルス感染症の影響がある。2020年7月のタイ政府のリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために政府が実施した商業施設の一時閉鎖、外出自粛措置により、オンラインによるアルコール飲料の広告と販売が増加したとされる。商業施設の閉鎖や外出自粛要請は既に終了しているが、同リリースでは、サティット・ピトゥテーシャ副保健相が、オンラインによるアルコール販売増加により、購入者の年齢や販売時間を確認することが難しくなり、規制の導入に言及していた。なお、レストランや小売店などでの電子的手段による決済(クレジットカードやスマートフォンアプリでの決済など)は今回の規制の対象外となっている。

一方、現地報道外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、本告示により小規模事業者が打撃を受けることになると、一部販売者から懸念の声が上がっている。

(ウォンパタラクン・ヤーダー、福田かおる)

(タイ)

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