イズレール航空、UAE向け商業便を運航開始の見込み

(イスラエル)

テルアビブ発

2020年09月11日

イスラエルの現地紙「グローブス」は9月9日、民間航空会社イズレール航空(Israir)が10月2日からテルアビブとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ間の商業フライトを就航させる見込みと報じた。同航空は10月のイスラエルの連休シーズンをにらんで、UAEに4泊分の宿泊と往復航空券がセットになったパッケージ商品を700ドルから販売するという。別の現地紙は、イズレール航空は既に10月の8往復分のフライト枠をUAE当局に申請して認可待ちであり、イスラエル航空局ウェブサイトの時刻表にフライトが掲示されていると報じている。

イスラエル政府が9月2日付で発表しているとおり(2020年9月4日記事参照)、イスラエル~UAE間の商業フライトについては、サウジアラビア領空の飛行が許可されたこともあり、エルアル航空やイズレール航空などのイスラエルの航空会社のみならず、UAEの2大航空会社のエティハド航空とエミレーツ航空も市場参入することが見込まれている。これに関して「グローブス」は、世界有数の路線網を有するUAEの航空会社の参入により、年間約9,000万人の旅客と約200万トンの航空貨物が利用する一大ハブのUAEの各空港とテルアビブ空港が接続されることになるため、イスラエルの航空事情が激変するだろうとする航空業界の専門家のコメントを紹介した。

これまでイスラエルには、ルフトハンザ航空やオーストリア航空などの欧州系航空会社に加えて、主要な外資系航空会社として、トルコ航空やアエロフロートが就航してきた。アジアやオーストラリアなど東方向け路線については、価格面や乗り継ぎ時間の短さなどからトルコ航空などが多く利用されてきたが、UAEの2大航空会社が路線参入することにより、この状況が変わる可能性がある。また、競争力の高いUAEの航空会社が大きく需要を集めた場合、同じくイスラエル路線に就航している他の中小航空会社にも影響が及ぶ可能性があり、今後の動向が注目される。

(吉田暢)

(イスラエル)

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