新型コロナのワクチンが12月24日にチリに到着

(チリ)

サンティアゴ発

2020年12月25日

米国ファイザー(Pfizer)とドイツのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスのワクチンが12月24日、チリに到着した。同ワクチンは、12月16日にチリの公衆保健院(ISP)による認証試験を通過し、現時点では、チリ国内での使用許可を得ている唯一のワクチンだ。今回搬送された1万回分のワクチンは、特に医療現場が緊迫しているアラウカニア州、ビオビオ州、マガジャネス州と、首都圏州の一部の医療従事者向けに接種が行われる。

今後のチリのワクチン投与計画としては、まず医療従事者、高齢者、生活習慣病患者らを含む約500万人に優先的に投与を行い、その後は対象者のリスクに応じて投与範囲を拡大していくという方針が発表されている。また、ワクチンの接種は強制ではなく、あくまでも自主的なもので、料金は無料と発表されている。

ファイザーとビオンテックの共同開発ワクチンについては、今回輸送されたものに加え、12月28日の週にはさらに1万回分がチリに到着する予定となっている。チリが同2社との契約により現時点で確保している総ワクチン数は1,000万回分と発表されており、ほかにも、シノバック(Sinovac)、アストラゼネカ(AstraZeneca)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)、国際的なワクチン開発イニシアチブのコバックス(COVAX)との契約により、総計で3,000万回分以上のワクチンが確保されていると政府は発表している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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