2020年の新車販売台数、前年比マイナス30.2%、2021年は25%のプラス成長予想

(ペルー)

リマ発

2021年01月27日

ペルー自動車協会(AAP)が公表した統計によると、2020年の新車販売台数(注)は前年比マイナス30.2%の11万8,503台だった。ペルーでは、新型コロナウイルスの感染者発生を受けて2020年3月16日から緊急事態宣言が発令され、生活必需産業以外の全ての産業が4月末まで停止した。その後、自動車関連産業(製造、販売代理店業務、部品販売業務、修理サービスなど)の活動再開が認められたのは、経済活動再開計画の第2段階が始動した6月以降だった。そのため、四半期別では第2四半期(4~6月)の販売台数は前年同期比マイナス84.5%(6,351台)を記録し、減少幅が最も大きかった。経済活動再開計画が進むにつれ、また、「新型コロナ禍」で需要が拡大して多くの失業者の転職や副業先となった宅配サービスやタクシー業などの影響もあり、7月以降の販売台数は増加に転じた。さらに、各社ともに販売促進策の一環としてオンライン販売サービスを充実させるなどの対策を講じたため、第3四半期(7~9月)の新車販売台数は3万5,307台(前年同期比マイナス18.7%)、第4四半期(10~12月)は4万3,964台(同マイナス1.1%)と順調な回復を見せた(添付資料表1参照)。

メーカー別販売実績では、ほぼ全てのメーカーが前年実績割れとなった。首位を長年維持するトヨタ自動車は前年比マイナス28.5%を記録したものの、合計販売台数2万1,450台で市場シェア18.1%を占め、首位を堅守した。その他の日本メーカーも合わせると、日本車は全体の37.3%の市場シェアを有している(添付資料表2参照)。

AAPのアルマンド・ネグリ会長はリマ商工会議所(CCL)のインタビューに対して、中南米諸国の中でも特にペルーの不振が目立った理由について、他国以上に厳しい感染予防対策が取られたことと、オンライン販売導入の遅れを挙げている。一方で、2020年下半期の回復が他国を上回った点を強調した。また、2021年の見通しについては、前年比で25%増を見込んでいるとしている。

(注)各社の販売代理店がAAPに報告している販売台数。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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