プラットフォームプロジェクト「アグリ-ガイア」で農業をデジタル化、AIを活用

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2021年02月03日

ドイツのペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相は1月26日、プラットフォームプロジェクト「アグリ-ガイア(Agri-Gaia)-農業経済的な人工知能エコシステム」のコンソーシアムに1,175万ユーロの支援を行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同プロジェクトは、経済・エネルギー省が主催する「人工知能(AI)イノベーションコンテスト」の第2回で受賞したプロジェクトの1つ。

同プロジェクトは、ドイツ人工知能研究センター(DFKI)主導の下、欧州のクラウド・データインフラストラクチャー構想「ガイア-エックス(GAIA-X)」(2020年6月8日記事参照)の枠組みの下、中小企業中心の農業・食品産業分野におけるAIエコシステムの構築を目指している。例えば、AIツールの活用により、効率的かつ持続可能な土壌管理を可能にする農業機械を製造できるという。アグリ-ガイアは、農家や農業機械メーカー、サービス業者、食品産業の間で横断的な連携の場となることも目指しており、安全かつ信頼性の高いデータ共有の場を提供し、最新のAI技術を活用したデータサービスの開発を可能にする。

アルトマイヤー経済・エネルギー相は、同プロジェクトについて「アグリ-ガイアによって、農業のデジタル化を行うとともに、AIの具体的な活用事例を創出する。デジタル化は農業の競争力(の維持・向上)に非常に重要」と指摘。また、DFKIの研究者で、アグリ-ガイア事業のコーディネーターを務めるヨアヒム・ヘルツベルク氏は「デジタル農業には、データ処理のためAI技術が必要なほか、農産物の品質を持続可能に改善するためは農業における付加価値連鎖のネットワーク化が不可欠」とした上で、「アグリ-ガイアはその両方を実現する」とコメントしている。

同プロジェクトのコンソーシアムには、DFKIほか、農業用機械メーカーのアマゾーネや食品大手ウェルンジング・ファインコストなど12の企業・団体が参画しており、コンソーシアム外での協力パートナーも含めると、その数は20を超えるという。同プロジェクトでは、ビッグデータやAI技術などのスマートアプリケーションを、農業分野で活用することに意欲を持つ企業や団体を今後も広く募っていくとしている。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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