資源管理法を廃止し、新3法の立案を発表

(ニュージーランド)

アジア大洋州課

2021年02月22日

ニュージーランド政府は2月10日、1991年に施行された資源管理法(RMA)を廃止し、3つの新しい法律に置き換える計画を発表した。RMAは、土地、水、および空気などの管理のみならず土地利用、公共施設の提供を規制する同国の主要な法律だ。同法の資源管理の意思決定は、現在および将来の環境への影響を考慮する持続可能な管理の原則に基づいて行われる。

新しい3つの法律は、自然および構築環境法(NBA)、戦略的計画法(SPA)、気候変動適応法(CAA)から成る。NBAは、土地利用と環境規制からなるRMAに代わる立法の中核的部分となる。人口増加などによって悪化している自然環境を改善し、現在および将来の世代の暮らしを守るため、環境の質を高めることを目的としている。SPAは、開発に関連する他法律と統合し、土地や沿岸海域の使用をどのように計画するかについて戦略的かつ長期的な取り組み方を提供する。土地や開発市場の利用がより効率的なものになることによって、住宅供給などの問題を改善することが可能となる。CAAは、予測される避難(将来起こりうる洪水・山火事などから建物などを安全な場所に移動させること)と資金調達などに関連する複雑な問題に法的・技術的に対処するためのものだ。

環境相のデービット・パーカー氏は「都市部は人口増加に伴い住宅問題が生じている。自然環境も悪化する中で気候変動に適応することが急務だ」とし、「新しい法律は自然環境を改善し、規制内でさらなる開発を可能にし、住宅の供給、価格などを改善する」と述べている。

この計画は、2020年7月に発表された資源管理システムの総合的な見直しの結果に基づき行われたもので、2022年12月末までに3つの法律全てが可決される予定だ。RMAの管理過程が非常に煩雑で時間がかかるものとなっている中、デービット・パーカー氏は、今回の改革で管理過程が簡素化され、費用と時間なども削減されるとしている。

(坂本未侑)

(ニュージーランド)

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