EU蓄電池プロジェクト第2弾にドイツから11社参加

(ドイツ、EU)

ミュンヘン発

2021年02月04日

ドイツ経済・エネルギー省は1月26日、EU域内の蓄電池供給体制を強化すべく欧州委員会が承認した研究開発プロジェクト「欧州バッテリー・イノベーション」第2弾に参加する企業の詳細などを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

このプロジェクトは、ドイツが中心となって取りまとめ、EU加盟国のうち12カ国が共同で申請したもの(2021年1月28日記事参照)。連邦政府は第1弾と合わせ、最大30億ユーロを助成する。民間企業からの投資と合わせ、ドイツ国内で130億ユーロ以上の投資を見込む。また、国内に数千人の雇用を生むという。

第2弾に参加する企業は、蓄電池に関する(1)原材料・先端素材、(2)バッテリーセル、(3)バッテリーシステム、(4)リサイクル・持続可能性に関わる企業となる。第2弾参加企業のうち、ドイツに拠点を有する企業は11社。自動車大手のBMW、自動車部品メーカーで蓄電技術の開発も進めるエルリングクリンガー(ElringKlinger)、機械メーカーでリチウムイオン電池の生産用機械も製造するマンツ(Manz)などだ。州別では、製造業が集積するドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州企業が主体となるプロジェクトが目立つ。

11社にはドイツに製造拠点を設立する外国企業も含まれる。具体的には、ベルリン新空港近くのブランデンブルク州グリューネハイデの工場が2021年夏に稼働予定の米テスラ(2019年11月21日記事参照)、2024年初めにフォルクスワーゲン(VW)と共同でドイツ北部ニーダーザクセン州ザルツギッターで蓄電池工場を操業予定のスウェーデン・ノースボルトなどだ(2020年8月24日記事参照)。ノースボルトは今回の助成の中で、ドイツ国内でのさらなる蓄電池工場設置の可能性も検討するという。

プロジェクトの第1弾は、2019年12月に欧州委員会が承認(2019年12月10日記事参照)、個々のプロジェクトが既に具体化している。例えば、ファルタ(VARTA)の蓄電池生産拠点拡張への総額3億ユーロの助成(2020年7月9日記事参照)、BMWの蓄電池研究への総額6,000万ユーロの助成(2020年7月30日記事参照)、BASFグループの蓄電池材料分野の研究などへの総額1億7,500万ユーロの助成(2020年8月26日記事参照)などだ。

ペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相は今回の欧州委員会の承認を歓迎し、「欧州の蓄電池バリューチェーンが実現する」とコメントしている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、EU)

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