2020年第3四半期のGDPはマイナス成長も、建設業など好調

(ケニア)

ナイロビ発

2021年02月24日

ケニア国家統計局(KNBS)の1月28日のレポートによれば、2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.1%と引き続きマイナス成長だったものの、2008年第3四半期以来のマイナス成長となった前期(2020年10月28日記事参照)より4.4ポイント回復した(添付資料図参照)。

ホテル・レストラン業は前期から25.3ポイント、運輸・倉庫業は14.3ポイントと大幅に上昇し、それぞれ57.9%減、2.9%増だった。新型コロナウイルス拡大防止のため運航停止していた航空旅客便が、国内線は2020年7月15日に、国際線が8月1日に再開したことなどが要因とみられる。

写真 国際線の再開とともに、外国人が市内に戻ってきた。需要を捉えた一部の配車ハイヤリングサービスは、飛沫(ひまつ)防止対策を提供していた(2020年9月、ジェトロ撮影)

国際線の再開とともに、外国人が市内に戻ってきた。需要を捉えた一部の配車ハイヤリングサービスは、飛沫(ひまつ)防止対策を提供していた(2020年9月、ジェトロ撮影)

建設業も16.2%増と好調だった。ケニア政府は雇用確保のため公共事業を増やしており、道路の改修も進んだ。2019年に着工した、ナイロビ中心地を通りジョモ・ケニヤッタ国際空港とナクル地域を結ぶ大型のバイパス工事は、コロナ禍でも建設が大幅に進んだ。

写真 2019年に開始したジョモ・ケニヤッタ国際空港とナイロビ中心地、ナクル地域を結ぶバイパス工事は、2020年には大幅に進展した(ジェトロ撮影)

2019年に開始したジョモ・ケニヤッタ国際空港とナイロビ中心地、ナクル地域を結ぶバイパス工事は、2020年には大幅に進展した(ジェトロ撮影)

写真 ナイロビ市内ンゴングロードの様子。工事が終わり、渋滞の解消に貢献した。しかし2020年第4四半期に入り交通量が増え、再び渋滞がみられるようになった(2020年9月、ジェトロ撮影)

ナイロビ市内ンゴングロードの様子。工事が終わり、渋滞の解消に貢献した。しかし2020年第4四半期に入り交通量が増え、再び渋滞がみられるようになった(2020年9月、ジェトロ撮影)

一方で、夜間外出禁止令は3月12日まで延長されており、外食業界などには少なくとも2021年第1四半期まで厳しい局面が続くとみられる。

(久保唯香)

(ケニア)

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