国内2番目のユニコーン誕生、日用品配送のゲティル

(トルコ)

イスタンブール発

2021年04月01日

トルコの日用品配送プラットフォームのゲティル(getir)が設立から5年半で評価額26億ドルに到達し、2020年のソーシャルゲーム会社ピーク(Peak)(2020年6月4日記事参照)に続き、トルコ国内で2番目のユニコーン企業となった。ゲティル創設者のナズム・サルール氏が3月26日にオンライン会見を開き、国外展開に向けて新たに3億ドルの新規投資を受けたことを発表した。

ゲティルは2015年に設立され、イスタンブールを拠点に、モバイルアプリを通して食料品や日用品などを自宅に配送するサービスを展開している。自社倉庫とバイクを活用して、平均10分前後の配送時間で、店舗に行く必要なく、多岐にわたる商品をスピーディーに配送している。2020年1月には1億2,800万ドルの資金調達に成功し、評価額8億5,000万ドルに到達。新型コロナウイルス影響下でのオンラインショッピング需要の高まりを受けて成長を続け、ユニコーン間近と期待される中で今回の資金調達ラウンドを迎えた。

同社は2021年1月には、英国・ロンドンでもサービスを開始した。サルール氏によると、数カ月以内にさらにドイツ、フランス、オランダにもサービスを拡大する予定だ。また、コロナウイルスの感染状況次第だが、ブラジル進出も視野に入れていると述べた(ブルームバーグ3月26日)。

トルコ政府は2023年までに国内のスタートアップからユニコーン企業を10社輩出することを目標としており、資金提供や投資家への税制優遇などの支援策を備えている。ムスタファ・バランク産業科学相は今回の新たなユニコーン誕生を受けて、「目標に向けて着実に進んでいる」と、自身の公式ツイッターにコメントを投稿している。

(友田椋子)

(トルコ)

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