第1四半期GDP成長率、前年同期比0.5%、2期連続プラス成長

(ナイジェリア)

ラゴス発

2021年05月27日

ナイジェリア国家統計局は5月23日、2021年第1四半期(1~3月)のGDPを発表した。産業全体の実質GDP成長率(前年同期比)は0.5%で、前期の0.1%に続いてわずかなプラス成長となった(添付資料表参照)。

石油をはじめとする鉱業部門はマイナス2.2%だったものの、マイナス18.4%だった前期から回復基調がみられた。前期の産油量が日量156万バレル(コンデンセートを除く)だったのに対し、第1四半期は172万バレルに増産したことが主な要因とみられる。また、OPECプラスの減産合意も奏功し、OPECバスケット価格は3月31日時点で1バレル63.07ドルと新型コロナウイルス感染拡大以前の水準まで回復したことも一因だ。

鉱業部門以外では、製造業(3.4%)、建設(1.4%)、金融・保険(マイナス0.5%)、卸・小売り(マイナス2.4%)の各セクターで前期から回復基調だった。情報通信分野(6.3%)は引き続き高い成長率を記録しつつも、前期の14.7%に比べて鈍化した。パンデミックから1年が経って在宅勤務による需要の伸びが落ち着いてきたことや、政府が義務付けた国民識別番号(NIN)のSIMカードとのひもづけ(2021年1月25日記事参照)の影響で新規SIMカードの発行を停止していることが影響したとみられる。

IMFはナイジェリアの2021年の経済成長率を2.5%と予想し(4月6日発表「世界経済見通し」)、緩やかな経済回復が見込まれる。また、国内では1月が新型コロナウイルス感染第2波のピークで、5月23日時点の新規感染者数は40人と落ち着いている。5月13日には日揮グローバルがナイジェリアでは初となる年産120万トンのFLNGプラント〔浮体式の液化天然ガス(LNG)生産施設〕に係る概念設計役務の受注を発表するなど、日系企業も活発な動きを見せつつある。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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