江蘇省、2025年までに介護士を15万人以上育成

(中国)

上海発

2021年06月29日

中国の江蘇省民政庁と、発展改革委員会、教育庁、衛生健康委員会など7部門は共同で6月22日、「養老サービス人材チームの建設強化に関する実施意見」(以下、意見)を発表した。深刻化する高齢化問題に対応すべく、第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中に、介護士を15万人以上育成するとしている。

意見の主な目標は、(1)2021年末までに、在宅訪問サービス・社区介護ケア・施設の長期介護ケアに従事する介護士を10万人に引き上げる、(2)第14次5カ年規画期間中に、高齢者サービス・管理にかかる専門学科を新設した高等教育機関を10校以上に増やし、年間の卒業生を平均3,000人超とする、(3)養老介護サービスに従事する専門介護士を15万人以上、うち、養老介護職業スキル認定資格を持つ介護士を少なくとも10万人以上育成することなどだ。

目標達成の具体策として、高等教育機関の養老介護専門学科の学生に対し、職業スキル資格証の取得を奨励する。省内で養老介護作業に5年連続で従事した高等教育機関の卒業生に対し、地方政府が奨励金を与えるほか、資格を取得した介護士に対し、500元(約8,500円、1元=約17円)から5,000元の職業手当を与える(注1)。そのほか、介護士のトレーニングの強化、職業スキル資格の普及、養老サービスマネジャー制度の普及、資金投入の強化などについても規定した。

5月に発表された「江蘇省第7回国勢調査」によると、江蘇省の60歳以上の高齢者人口は2020年11月1日時点で1,850万5,345人と全体の21.8%を占めている。このうち、65歳以上の人口は全体の16.2%だ。同省は高齢社会(注2)に突入しており、専門の高齢者介護人材は約27万人不足している。

(注1)当該介護ポストに従事して2年以上が経過した者に限定。

(注2)一般的に人口に占める65歳以上の割合が14%以上の地域を指す。

(徐暁蕾)

(中国)

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