入国時のルールを変更、第3波の沈静化に伴い各種規制も緩和

(エジプト)

カイロ発

2021年07月09日

エジプト政府は6月16日、エジプト入国時にQRコード付のPCR検査陰性証明書の提示を求めることを公表(2021年6月18日記事参照)していたが、6月18日にルール変更を行い、QRコード付の陰性証明書に加え、検査機関押印付の陰性証明書も認めるとした(QRコードもしくは検査機関押印のどちらかが付いていれば問題ない)。さらに6月24日には、入国時にエジプトかWHO(世界保健機関)が承認したワクチン(注)を接種済みで、QRコード付のワクチン接種証明書を保持する入国者については、前述のPCR検査陰性証明書の提示を不要とすることを公表した。なお、ワクチンごとに定められた回数の接種が完了してから2週間を経過している必要がある。

入国時の手続きは変更が多く、航空会社によって措置が異なる場合があり、在エジプト日本大使館ウェブ「入国手続き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の確認や、利用の航空会社などに最新情報を確認する必要がある。

新型コロナ規制を緩和

エジプトでは4月以降、新型コロナウイルスの感染拡大の第3波が到来し、5月には1日当たりの感染者数が1,000人を超える日が続いていたが、6月以降は減少傾向にある。こうした状況を踏まえ、エジプト政府は、飲食店・ホテル・映画館などにおいて、それまで50%だった入場者・利用者数の人数制限を、7月8日以降は70%に緩和することを発表している。

また、エジプトではワクチンの国内製造を進めており、ムスタファ・マドブーリー首相は、中国シノバックの新型コロナワクチンが、エジプト国営企業VACSERAによって、これまで100万回分生産されたと公表した。海外産ワクチンも数千万回分を契約済みだが、世界の需要拡大によりエジプトへの供給が遅れているため、2021年末までに4,000万回分の現地製造を目指す。さらに、ハラ・ザイード保健・人口相は、英国・アストラゼネカともワクチンの製造に関して交渉していると述べた。国内での供給に加えて、ワクチン接種が遅れるアフリカなどへの輸出も計画している(2021年6月10日記事参照)。

(注)アストラゼネカ製、ガマレヤ研究所(通称:スプートニクV)、シノバック製、シノファーム製、ジョンソン・エンド・ジョンソン製、ファイザー製、モデルナ製が対象。

(井澤壌士)

(エジプト)

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