ザンビア大統領選が予定どおり実施へ、接戦の予想

(ザンビア、南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年08月12日

ザンビアで5年に1度実施される大統領選挙が、8月12日に予定どおり行われる。ザンビア選挙委員会の7月10日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、大統領選の候補者は16人で、現職の与党・愛国戦線(PF)のエドガー・ルング大統領と、最大野党・国家開発統一党(UPND)のハカインデ・ヒチレマ氏との事実上の一騎打ちとなる見込みだ。

前回2016年の大統領選(2016年8月24日記事参照)でも両氏の対決となり、得票数差わずか約10万票で敗れたヒチレマ氏(得票率47.67%、対するルング氏は50.35%)は、選挙に不正があったと主張した。その後、同氏の支持者が多い南部を中心に暴動が発生したことから、今回も選挙後の治安の悪化に注意が必要だ。なお、選挙結果の最終的な公表までは、過去の傾向からも数日を要するとみられる。

前回選挙時にルング大統領は、銅の輸出に依存する同国経済の立て直しを公約に掲げていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が同国経済にも大きな影響を与えており、2020年11月には、政府が実質的なデフォルト状態に陥るなど(2020年11月18日記事参照)、同大統領の任期中に国際的な信用はさらに低下し、経済の疲弊が続いている。財政再建を求めているIMFは、ザンビア向けの支援策として拡大クレジット・ファシリティ(ECF)供与に向けた協議を政府と続けてきたが、交渉がまとまらないまま議会は解散し、今回の大統領選を迎えることになった。

現地日系企業によると、これまでのルング大統領の経済運営の失敗から、国民の不満は高まり、接戦が予想されており、与党が劣勢との見方もあるようだ。

(トラスト・ムブトゥンガイ、高橋史)

(ザンビア、南アフリカ共和国)

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