カナダ、第3期トルドー内閣発足、男女同数を維持

(カナダ)

トロント発

2021年10月27日

カナダのジャスティン・トルドー首相率いる第3期内閣が10月26日に発足し、トルドー首相は閣僚名簿を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。

2015年の第1期、2019年の2期政権の組閣時と同様、トルドー首相を除く38人の閣僚のうち19人が女性となり、男女同数の内閣を維持した。クリスティア・フリーランド副首相兼財務相やフランソワフィリップ・シャンパーニュ・イノベーション・科学産業相ら9閣僚が留任する一方、メラニー・ジョリー前経済開発兼公用語相を新外相に充てるとともに、カナダ軍内の性的不祥事問題への対処に当たるため、新型コロナウイルスワクチンの調達で実績を上げ、自由党幹部の信頼を得たアニタ・アナンド前公共サービス・調達相を新国防相に充てた。同省での不祥事については前議会で野党から「軍の性犯罪問題にどう対処するのか」という質問が殺到し、大臣交代は必至とみられていた。

さらに、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を目前に控え、環境活動家のスティーブン・ギルボ前カナダ民族遺産相を新環境・気候変動相に充てる一方、ジョナサン・ウィルキンソン前環境・気候変動相は新天然資源相として、引き続き気候変動問題に関与することになった。このほか、新規登用閣僚は8人で、21人は前政権からの横滑りとなった。

トルドー首相は同日の記者会見で「カナダ人は、強力で多様性のある内閣を必要としている。このチームは、新型コロナウイルスとの闘いを終わらせ、1日10カナダ・ドル(約920円、Cドル、1Cドル=約92円)の託児所を実現し、カナダ人が家を見つけられるよう支援し、気候危機に取り組み、先住民との和解を進めていく」と述べた。

第3期内閣の発足を受けて、カナダ商工会議所のペリン・ビーティー会頭兼最高経営責任者(CEO)は「雇用創出の原動力である企業が何を必要としているかを明らかにするため、先週、閣僚への依頼書を発行しており、夏には『成長に必要なもの』と銘打ち、議会に対して優先的に取り上げるべき課題を発表した。競争力のある税制や規制制度、企業が必要とする人材の提供、デジタル化された経済への準備、グローバル市場につながるインフラ構築、明確な外交政策の提示などを含んでおり、政府が議会開会時の演説や秋の経済声明で計画を明確にすることを期待する」との声明を発表した。

(飯田洋子)

(カナダ)

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