ロシア進出日系企業実態調査、営業黒字見込み割合は7割超え

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年12月08日

ジェトロは12月8日、2021年度ロシア進出日系企業実態調査の結果を発表した。2021年の営業利益見通しについて、「黒字」を見込む企業の割合は前年比17.9ポイント増の73.8%と3年ぶりに7割を超えた。世界の主要国と比較すると「黒字」割合は韓国(85.3%)に次いで2番目に大きかった。

「黒字」割合が前年から大きく増加した背景には、新型コロナウイルス感染症拡大によって落ち込んだ経済が回復し、消費が堅調に伸びたことがある。

また、2019年と比較した2021年の営業利益見込みについて、半数が「改善」と回答した。新型コロナウイルス感染拡大前と比較しても順調にロシアビジネスが拡大している。

さらに、今後1~2年の事業展開に関する見方については、「拡大」と回答した企業は前年比11.5ポイント増の40.5%となった。「縮小」は7.2ポイント減の3.6%で、新型コロナウイルス感染収束後の経済回復を踏まえて、ロシアビジネス拡大に前向きなことがうかがえる。他方で「投資優遇制度などに変更が発生し、長期的な視点で事業計画が立てにくい」(商社)といったコメントがみられた。

今回の調査は2021年9月に実施。ロシアに現地法人(日本からの直接投資または間接出資比率が10%以上)や支店の形態で拠点を構えている企業121社に送付し、うち84社(製造業19社、非製造業65社)から回答を得た。調査は2013年度から毎年実施しており、今回で9回目。調査結果の詳細はジェトロのウェブサイトに掲載されている。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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