韓国政府、「Kユニコーンプロジェクト」の成果を発表

(韓国)

ソウル発

2022年02月10日

韓国中小・ベンチャー企業部は1月27日、「Kユニコーンプロジェクト」の成果を発表した。同プロジェクトは、有望ベンチャー企業のユニコーン企業〔企業価値1兆ウォン(約960億円、1ウォン=約0.096円)以上〕への成長を後押しする事業で、2020年4月から本格的に支援を推進している。支援内容は、(1)「赤ちゃんユニコーン企業」(企業価値1,000億ウォン未満)を対象に3億ウォンの市場開拓資金の支援、(2)「予備ユニコーン企業」(1,000億ウォン以上1兆ウォン未満)を対象に100億ウォンまでの特別保証の提供。同部では2021年までに、「赤ちゃんユニコーン企業」として100社、「予備ユニコーン企業」として76社の合計176社を選定している。同プロジェクトの具体的な成果は以下のとおり。

1.雇用創出

「Kユニコーンプロジェクト」に選定された176社で計6,739人の雇用を創出した(1社平均38.3人)。内訳は、「赤ちゃんユニコーン企業」が1,920人、「予備ユニコーン企業」が4,819人の雇用増となった。特に雇用増に貢献した企業として、1社で2,228人の雇用を創出した「Kurly」と、265人の「衣食住カンパニー」が挙げられた。

2.売上高の増加

2020年に支援を受けた「赤ちゃんユニコーン企業」(40社)は、2019年の売上高の合計が1,338億ウォンだったのに対し、支援を行った2020年には3,339億ウォンに増加した(前年比2.5倍)。同様に「予備ユニコーン企業」(29社)は、2019年の5,423億ウォンに対し、2020年は8,243億ウォン(52.0%増)に成長した。

3.出資獲得

参加企業176社のうち、76社が総額2兆2,476億ウォンの出資を獲得した。特に「予備ユニコーン企業」だった「Kurly」は、2021年7月にユニコーン企業に成長し、同年12月に香港系プライベート・エクイティファンド運用会社である「アンカー・エクイティ・パートナーズ」から2,500億ウォンの追加出資の獲得に成功した。また、植物性代替肉を扱う「赤ちゃんユニコーン企業」の「バイオミックステック」は2021年10月に投資ファンドから200億ウォンの出資を獲得している。

4.ユニコーン企業への成長、上場企業

「Kurly」および「Zigbang」がユニコーン企業に成長し、その他5社がコスダック市場に上場、「クロッキー・ドット・コム」は韓国のインターネットサービス会社大手のカカオに買収された(添付資料表参照)。

(当間正明)

(韓国)

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