2021年の新車販売台数、2年連続で減少

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年02月17日

マレーシア自動車連盟(MAA)は1月20日、2021年通年の新車販売台数は前年比3.9%減の50万8,911台と発表した。新車販売台数は2年連続減少した。乗用車が45万2,663台(5.9%減)、商用車が5万6,248台(15.9%増)だった(添付資料表1参照)。メーカー別では、国民車メーカー2社(プロトン、プロドゥア)で市場の約6割を占めた(添付資料表2参照)。

メーカーによって販売回復に明暗

メーカー別にみると、第2国民車のプロドゥアの販売台数は前年比13.6%減の19万291台に減少したが、市場シェアの37.4%を占め、前年に引き続き市場をリードした〔添付資料「表2 主要メーカー(上位10位)別自動車販売台数」、「図 自動車販売台数と各社シェア推移」参照〕。2017年11月にフルモデルチェンジした小型ハッチバック車「マイヴィ」が好調で、2021年の販売台数は年間4万7,525台と、マレーシアで最も売れた小型車となった。第1国民車のプロトンが2.9%増の11万1,695台で、第2位のシェア(21.9%)を維持した。プロトンが2016年9月に発売した小型セダン「サガ」の好調が続き、年間4万2,627台を販売した。

これに対して、外資系および日系メーカーの販売台数をみると、トヨタが前年比22.0%増の7万2,394台だった。市場シェアを前年の11.2%から14.2%へ上げ、ホンダを抜いて第3位に浮上した。三菱自動車も1万8,957台(75.5%増)となり、7位から5位に躍進した。他方、ホンダは5万3,031台(12.3%減)だった。日産(13.2%減)、マツダ(12.2%減)も2桁減となった。

2021年の生産台数は前年比0.7%減の48万1,651台だった(添付資料表3参照)。全体の9割強を占める乗用車が44万6,431台と前年より2.5%減少した一方、商用車が3万5,220台(28.4%増)に増加した。

減免税が販売回復を後押し、2022年は60万台を目標

新型コロナウイルスの感染拡大に加え、2021年3月以降の移動制限令の影響で、2021年上半期の販売台数は急落していた(2021年8月13日記事参照)。下半期は移動制限令の解除や、12月30日まで延長された乗用車の売上税減免措置により、販売が上向いた。通年としては前年割れとなったものの、下半期の追い上げにより、MAAが2021年7月に発表した目標台数50万台を達成した。

マレーシア政府は2022年度国家予算における景気刺激策として、乗用車への売上税減免措置を6月30日まで延長している。今回で3回目となるこの減免措置の延長が引き続き自動車市場の回復を後押しするとみて、MAAは2022年の新車販売台数の目標値を60万台とした。

(関淑怡)

(マレーシア)

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