米ロサンゼルスで「第3回ジャパン・コンテンツ・ピッチ」開催、日本ドラマの北米配信実写化目指す

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2022年03月09日

ジェトロは3月1日、米国の在ロサンゼルス日本総領事館とユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)と共同で「第3回ジャパン・コンテンツ・ピッチ(Japan Contents Pitch)」を開催した。事前公募により採択された日本のドラマ計5作品(注)について、各作品の海外リメーク権を持つ日本の放送局がハリウッド関係者へピッチ(売り込み)を行った。

これまで2回の開催では、米国地上波テレビ局での実写ドラマ化を念頭にバイヤーや制作会社などに向けたピッチを行い(2019年6月13日記事2021年6月24日記事参照)、両イベントともに米国地上波からの引き合いを受けて脚本制作に結びついた作品があるなど、参加したハリウッド関係者からの反響が大きく、一部作品は現在も制作が継続している。

3回目の今回は新型コロナウイルス禍でさらに普及が進む米国のストリーミング配信(2021年5月28日記事参照)やケーブル放送局での実写ドラマ化を念頭に、ハリウッドの第一線でドラマ制作を行うバイヤーやプロデューサーなど約50人が参加。開催に当たっては、ジェトロのコンテンツ分野専門家を務める俳優・プロデューサーのマシ・オカ氏のアドバイスの下で実施された。

オンライン上で開催されたイベントでは冒頭、武藤顕総領事が濱口竜介監督作品「ドライブ・マイ・カー」が日本作品として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされたことなども紹介しながら、「より魅力的なストーリーへの需要が高まる昨今、日本作品が今まで以上に競争の厳しい世界のコンテンツ市場に挑戦し、成功を収めていくことを大変うれしく思う」とあいさつ。その後、参加した読売テレビとテレビ東京、関西テレビ、TBSテレビ、テレビ朝日の5社がそれぞれの作品について、特徴や米国市場に向けた魅力をプレゼンし、米国参加者との個別面談に応じた。

イベント後、参加した日本企業担当者からは「こういったかたちで現地バイヤーに一気にアプローチできる機会はほかになく、新型コロナ禍で営業手法の再検討を模索しているタイミングでもあったことから、ありがたい場だった」との声が聞かれた。

(注)「14ヶ月~妻が子供に還っていく~」(読売テレビ)、「ただ離婚してないだけ」(テレビ東京)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ放送)、「砂の塔~知りすぎた隣人」(TBSテレビ)、「七人の秘書」(テレビ朝日)の計5作品。

(トーレス久美子)

(米国、日本)

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