米上院、ジャクソン氏を黒人女性初の連邦最高裁判事として承認

(米国)

ニューヨーク発

2022年04月08日

米国議会上院は4月7日、ジョー・バイデン大統領が連邦最高裁判事に指名したケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏の人事案を53対47の賛成多数で承認した。民主党全員に加え、共和党からスーザン・コリンズ議員(メーン州)、ミット・ロムニー議員(ユタ州)、リサ・マコウスキー議員(アラスカ州)の3人が賛成した。

ジャクソン氏は、2022年夏に退任するリベラル派のスティーブン・ブライヤー判事の後任として、バイデン大統領が2月に指名した。ジャクソン氏は黒人女性として初。女性の最高裁判事は4人となり、これも史上初めてとなる。保守派6人、リベラル派3人という構成は変わらない。ジャクソン氏は2021年6月から首都ワシントンの連邦控訴裁判事を務めており、同職への指名もバイデン大統領が行った。

バイデン大統領はジャクソン氏を最高裁判事に指名した際、同氏の連邦控訴裁判事や連邦地裁判事、公選弁護人としての経歴を挙げ、「米国の司法システムで非常に幅広い経験を有する」と評価していた。一方、共和党は3月に行われた上院公聴会で、ジャクソン氏が過去に示した判決などを引き合いに、犯罪者に弱腰との批判を展開していた。

バイデン氏は大統領選挙戦で、最高裁判事に空席が生じた場合、黒人女性を指名すると表明していた。世論調査では、約7割が黒人女性の最高裁判事就任は「歴史的に重要」と評価している(2022年3月23日記事参照)。今回の人事案の承認によって公約を1つ達成したことで、2022年11月に行われる中間選挙で民主党の追い風になる可能性もある。

(甲斐野裕之)

(米国)

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