議会がコンドリ保健相を解任、現政権で2人目の議会による閣僚解任

(ペルー)

リマ発

2022年04月06日

ペルー議会は3月31日の本会議で、エルナン・ユリ・コンドリ・マチャード保健相の解任決議案を賛成71票、反対32票、棄権13票で承認した。解任決議案は右派のアバンサ・パイス(国よ進め:AP)党を中心に、6党派と無党派議員33人の議員によって2月28日に提出されていた。決議案によると、コンドリ保健相は2019年にフニン州チャンチャマージョ県保健局長だった時代の不正請求と不適切な取引などの汚職疑惑により捜査を受けているほか、薬用効果を不正に説明した水の販売への関与や、婦人科の資格なしに子宮頸がんの1分診断サービスをうたうなど、保健相として不適任として解任理由が挙げられていた。マリア・デル・カルメン・アルバ・プリエト議長は今回の決議を受けて、「保健相ポストには有能で適した人材の登用を求める。人々の健康を軽んじてもらいたくない」と政権側に強く求めた。現政権で議会によって解任された閣僚は、2021年12月のカルロス・ガジャルド教育相に次いで2人目となる。

党別の投票結果を見ると、与党のペルー・リブレ(ペルー自由:PL)党派でも教師ブロック議員(注)6人が棄権し、同じ左派のフントス・ポル・エル・ペルー(ペルーとともに:JPP)党も3人が賛成に回るなど左派党派内での分裂が目立った(党別の投票結果は添付資料表参照)。PL党の教師ブロック議員の1人のカティ・ウガルテ議員はラディオ・プログラマ・デル・ペルー(RPP)ニュースの取材に対して「カスティージョ大統領はコンドリ保健相への批判が高まる前に決断すべきだった。大統領は党派内で能力不足の人間を登用するよう圧力を受けている。自身で決断する強さを求めたい」と暗にブラディミール・セロンPL党首の関与をにおわせた。

(注)PL党が擁立したカスティージョ大統領と同じ教員出身の議員たちで、セロンPL党首よりカスティージョ大統領寄りの議員グループ。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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