開発進むバタン工業団地、2023年の生産開始を予定

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年05月09日

インドネシア政府の重要戦略インフラ事業である「国家戦略プロジェクト」に指定されている中部ジャワ州のバタン工業団地(Grand Batang City)では、既に進出を決めた企業による2023年の生産開始に向け、工事・建設が始まっている。ジェトロは4月18日、バタン工業団地を訪問し、開発の進捗や日系企業に寄せる期待などを、同工業団地のマーケティング・顧客管理(CRM)マネージャーのブラゴ・アディジャヤ・プトラント氏にヒアリングした。

第1フェーズはほぼ完売・半数以上が韓国企業

バタン工業団地は、中部ジャワ州の州都であるスマランから自動車で西へ1時間程度の場所にある(南ジャカルタからは、高速道路で東に約5時間)。総土地面積は4,300ヘクタール。開発区画は、「クリエーション」(3,100ヘクタール、クラスター1)、「イノベーション」(800ヘクタール、クラスター2)、「レジャー」(400ヘクタール、クラスター3)のクラスターに分けられる。現在はクリエーションクラスターの第1フェーズ(450ヘクタール)の工事が進む。2025年には海港を設置する計画もある。

ブラゴ氏によると、第1フェーズはほぼ全て区画に買い手がついており、半数以上を韓国企業が占める。さらにオランダ、米国、中国、台湾、インド企業などが入居や土地購入を決定済みだ。早い企業で2023年中の生産開始を予定しており、企業の大多数が、2024年には生産を開始する見通しとなっている。

写真 バタン工業団地の開発の様子(2022年4月18日時点、ジェトロ撮影)

バタン工業団地の開発の様子(2022年4月18日時点、ジェトロ撮影)

安価な土地賃借料、日系企業の進出を歓迎

ブラゴ氏は、バタン工業団地の特色として、土地賃借料が安いことを挙げた。80年間の長期リースで価格は1平米当たり55ドルと、他工業団地の賃料と比べても安価だという。また、同氏によると、近隣の高速道路から工業団地への専用出入口や、鉄道による専用アクセスなど、アクセスの良さも他工業団地より優れている。さらに政府からの支援体制が充実していること、土壌の質が他工業団地より良いこと、地震の発生率が他地域より低いことなどを挙げた。

日系企業に対する期待として同氏は「いかなる投資も歓迎する。工業団地に入居してもらうことを歓迎するのみならず、周辺産業として外食や小売り、ホテルなどの進出も歓迎したい」とした。

(尾崎航)

(インドネシア)

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