コマツ、米ウィスコンシン州で新本社開設、工場や研究施設など集約へ

(米国、日本)

シカゴ発

2022年06月29日

米国ウィスコンシン州のトニー・エバーズ知事(民主党)は6月27日、同州経済開発公社(WEDC)のミッシー・ヒューズ長官兼最高経営責任者(CEO)とともに、同州ミルウォーキーのハーバー地区を訪問、建設機械大手コマツの100%子会社コマツマイニングによる新キャンパスの開所式に参加した。コマツは2億8,500万ドルを投じて、2022年内をめどに、本社オフィス、製造工場、研究施設、顧客体験センター、ロボット工学研究室などを集約する見込みだ。

製造工場では、電気・ハイブリッド式の鉱山用ショベルや地表掘削用ドリルなどの主要部品を製造する。同社によれば、これまで周辺地域に点在していた本社や生産工場を、より生産に適した沿岸部に集約することで効率化し、生産性向上を図るものとしており、新施設の開設によって、長年低迷していたハーバー地区に1,000人以上の新規雇用が生まれるという。

エバーズ知事は「ミルウォーキーで135年以上の歴史を持つコマツは、グローバル企業にとってウィスコンシン州に投資を続けることがいかに重要か、また、なぜそうすべきかを示している」と述べた。

また、コマツマイニングのジョン・コーツ社長は「市や州政府、経済開発、地域社会の関係者の多大なる努力と支援なくしては、荒廃し汚染された、かつての産業地区を活気ある最新技術を擁する工場と公共のリバーウォーク(川沿いの遊歩エリア)へと再生させることは不可能だっただろう」と述べた。ハーバー地区は、州経済の中心地として栄えていたが、次第に荒廃し、現在は地域経済の発展と環境改善のため再開発が進められている。

新施設の建設に当たり、WEDCは同社に対して最大5,950万ドル(実績ベース)の税額控除で支援するとしており、この税額控除を受けるには雇用の創出と維持、資本投資、同州のサプライチェーンを活用することなどの要件を満たす必要がある。

新施設は、サステナビリティに重点を置いて設計・建設され、ソーラーパネル、風力発電機、LED照明、電気自動車充電器などさまざまな持続可能な技術が取り入れられている。また、二酸化炭素排出量の削減と環境への負荷が低いことから、米国グリーンビルディング評議会による「LEED v4 建物設計と建設(BD+C)」のゴールド認証を取得している。

(星野香織)

(米国、日本)

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