EU、充電端子を「USBタイプC」に統一する指令案に暫定合意、2024年秋適用へ

(EU)

欧州ロシアCIS課

2022年06月08日

EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会は6月7日、スマートフォンなどの電子機器の充電端子規格を「USBタイプC」に統一する無線機器指令の改正案について暫定合意に達したと発表(EU理事会プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同改正案は、欧州委員会が2021年9月23日に提案しており(2021年9月28日記事参照)、対象となる電子機器の充電端子を「USBタイプC」に統一するほか、急速充電技術を「USB PD(パワーデリバリー)」に統一する。充電関連の規格を統一することで、消費者の利便性を向上させ、電子廃棄物を削減し、EU域内の製品の持続可能性を高める狙いだ。

改正案ではまた、消費者が新たな電子機器を購入する際に、充電器の有無と充電性能について製品ラベルに表示することを義務付ける。さらに消費者が、充電器が必要かどうか選択できるように、充電器を含まない電子機器本体のみの販売を義務付ける。充電器と電子機器本体とのセット販売は引き続き認められるが、同指令の発効から4年後に欧州委がセット販売の禁止の義務付けの必要性について評価する。

対象となる製品は、携帯電話、タブレット端末、電子書籍端末、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機、ヘッドホン、イヤホン、携帯用スピーカー、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、携帯型ナビゲーション機器。同指令の発効後、24カ月の国内法制化期間を経て、適用が開始される。また、ラップトップ型のパソコンも指令の発効から40カ月後に対象となる。

なお、改正案では、無線充電に関してはまだ発展途上の分野として対象に含めていないが、欧州委は今後、無線充電の互換性の確保と規格の調和のため、委任規則などによる改正が可能となる。

今後、改正案は、EU理事会と欧州議会での採択を経て、EU官報に掲載された20日後に発効する。欧州議会によると、夏季休暇後にそれぞれ採択を行う予定としており、今秋には改正案が発効する見通し。発効後、EU加盟国による24カ月の国内法制化期間をもって適用が開始される。

(土屋朋美)

(EU)

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