韓国政府、サウジアラビア産ブチルグリコールエーテルにAD課税の最終判定

(韓国、サウジアラビア)

ソウル発

2022年06月13日

韓国の産業通商資源部貿易委員会は6月9日、サウジアラビア産ブチルグリコールエーテルに対するアンチダンピング(AD)調査の結果、国内産業が被害を被ったとの最終判定をし、今後5年間で43.58%のAD課税を賦課するよう企画財政部長官に建議すると発表した。事案の概要は以下のとおり。

1.申請者:ロッテケミカル(申請日:2021年6月25日)

2.調査対象企業:(サウジアラビア)サダラケミカル(Sadara Chemical Company、「サダラ」)

3.審査対象品目:ブチルグリコールエーテル(Butyl Glycol Ether、注1)

4.分類:(HSK):2909.43.0000(注2)

5.AD関税の賦課水準:

サダラとその関係会社の下記企業、または該当企業の製品を輸出する者:43.58%

  • ダウ・サウジ(Dow Saudi Arabia Product Marketing B.V.)
  • ダウ・シンガポール(Dow Chemical Pacific(Singapore))
  • 韓国ダウ・ケミカル(Dow Chemical Korea)

その他供給者:43.58%

6.国内市場規模(2020年):約200億ウォン台(約21億円、1ウォン=約0.105円)

今後、貿易委員会が今回の最終決定を企画財政部長官に建議し、調査開始日(2021年8月24日)から12カ月以内にAD課税の可否を決定する。

今回の委員会では、ヌンウォン金属工業とプグァン金属が申請した中国およびベトナム産シームレス銅管に対する国内産業への被害の有無について、公聴会を開催した(2022年3月23日記事参照)。2022年8月ごろに最終判定する予定。

(注1)グリコールエーテルのうち、ブタノールを原料とするブチルグリコールとブチルジグリコールでブタノールとエチレンオキシドをおよそ6対4の比率で混合して反応させ、精製した製品。塗料、染料、天然樹脂、インク、洗浄剤、凍結防止剤などの溶剤、液晶ディスプレー剝離液の原料などに使用。

(注2)基本税率は8%、WTO協定税率は5.5%。

(当間正明)

(韓国、サウジアラビア)

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