英政府、アフリカでのグリーン分野のビジネス機会を発表

英国政府は7月19日、英国・アフリカ間の貿易・投資における8つのグリーンビジネス分野を発表した。8つの分野は英国の「Growth Gateway」（成長への入り口、注）プロジェクトで検討・特定したもので、分野ごとに有力な国を特定している。アフリカは気候変動の影響に対して最も弱い地域の1つで、経済、食料システム、生活などさまざまなリスクをもたらす被害に直面している。英国政府はアフリカで再生可能エネルギーや、環境に配慮したスマート農業、スマートマニュファクチャリングの潜在的な可能性を解き放つことで、アフリカが気候変動の課題解決に重要な役割を担うことができるとしている。また、英国がグリーンな製品・サービスの主要な供給国として、同地域で環境に配慮した持続可能で包括的、かつレジリエントなビジネスを構築し、グリーンへの移行を支援できる立場にあるとしている。

今回のプロジェクトで高い潜在性があるとされた8つのビジネス分野は以下のとおり（添付資料表参照）。

• グリーン水素製造
• 陸上風力発電開発
• 家庭向け、企業向け太陽光エネルギーシステム
• 大規模太陽光プロジェクト開発
• 持続可能な動物飼料の生産
• テクノロジーを活用した小規模・冷蔵倉庫
• カーボンクレジットの発行
• 環境債の発行とアドバイザリー

さらに、今回のプロジェクトでは、アフリカでのグリーンビジネスへの参入促進に向けた取り組みも提案した。例えば、英国投資家に対して、アフリカでのプロジェクトや企業に結びつくための支援を行う、多国籍組織や開発金融機関が低コストの現地通貨融資や外国為替リスクをヘッジした手頃な価格の商品を提供するなどを挙げた。このほかにも、アフリカ各国政府の政策・規則枠組み策定の取り組みに関するナレッジ共有を支援し、技術支援を提供する、政府がインセンティブを提供し英国企業がパイプラインやグリッドインフラなどのインフラに投資するなどの取り組みも提案した。

（注）Growth Gatewayは英国企業、アフリカ企業を対象にしたビジネス支援サービスで、英国政府の貿易、融資、投資関連イニシアチブや機会を企業と結び付け、専門家によるアドバイスなどのサービスを提供する（2022年2月21日付地域・分析レポート参照）。

（オステンドルフ・七海・ありさ）