米CDC、カリフォルニア州の主要地域の新型コロナ感染状況を「高」に分類

(米国)

サンフランシスコ発

2022年07月27日

米国疾病予防管理センター(CDC)の721日時点のデータによると、日系企業が多く所在するカリフォルニアのロサンゼルス郡、サンタクララ郡、オレンジ郡を含む主要地域が新型コロナウイルス感染状況の「高」に位置づけられている。CDCは原則として、各州の郡単位での新型コロナウイルス感染リスクに応じて(1)高、(2)中、(3)低のいずれかに分類しており(注12022年2月28日記事参照)、当該データを毎週更新している。「高」分類の地域は現時点で米国全体の約4割(1,353エリア)に当たり、CDCはこれらの地域に対して公共の屋内施設でのマスク着用や、ブースター接種を含むワクチン接種の完了のほか、症状がある場合の検査の受診などを推奨している。

他方、新型コロナウイルスと経済活動の共生が進んでいる。例えば、北カリフォルニアでは最近、半導体関連の展示会「SEMICON WEST 2022」(71214日)や、日米の振興スタートアップを表彰するイノベーションアワード(714日)などの対面イベントが開催された(2022年7月19日記事参照)。また、スタートアップの大型年次イベント「Disrupt San Francisco 2022」(101820日)や、光学機器関連の展示会「Photonics West 2023」(2023128日~22日)がサンフランシスコ市で開催予定となっている。

同州の観光関連の非営利団体「Visit California」が発表した5月のホテル客室占有率のデータによると、カリフォルニア州全体は69.5%となっており、前年同月の61.4%を上回った。地域別に見ても、ロサンゼルスが73.4%(前年同月:65.3%)、ベイエリアが69.1%(50.6%)、サンディエゴが73.8%(62.1%)で、前年同月よりも高い。

カリフォルニア州公衆衛生局とサンフランシスコ市長、サル痘感染者増加でワクチン追加配分を要請

カリフォルニア州では、新型コロナウイルスだけでなく、サル痘の感染にも注意を払う必要が出てきた。719日、同公衆衛生局はCDCに対し、サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は米国保健福祉省に対して、特にLGBTQコミュニティーでのサル痘の感染者増加と、それに伴うワクチン(注2)不足を理由に、より多くのワクチンの配分を求める書簡を送付した。サル痘の感染者数は721日時点で、カリフォルニア州で434人、そのうちサンフランシスコ郡・市は159人となっている。

(注1)過去7日間の10万人当たりの新型コロナウイルスによる入院患者数、入院患者数に占める同感染症患者の割合、過去7日間の10万人当たりの同感染者数の3指標に基づいて分類される。

(注2JYNNEOSACAM20002つが米国で現在利用可能なサル痘のワクチン。

(石橋裕貴)

(米国)

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