バイデン米大統領がイスラエル訪問、先端技術分野の協力などで合意

(イスラエル、米国、サウジアラビア)

テルアビブ発

2022年07月20日

米国のジョー・バイデン大統領が71316日に大統領就任後初めて中東を歴訪した。イスラエルとパレスチナには1315日の3日間滞在した。

バイデン大統領のイスラエル訪問では、大統領とイスラエルのヤイル・ラピッド首相は13日に先端技術分野に関する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。イスラエル首相府の発表によると、同声明は先端技術分野での戦略的パートナーシップ開始を発表するもので、両国間に「技術に関する戦略的ハイレベル対話」の枠組みを設置するとしている。これにより、人工知能や量子力学、気候変動への対応、新型コロナウイルスのパンデミック対策などの取り組みを開始し、その議論のために、今後数カ月のうちに最初の米国代表団がイスラエルを訪問する予定としている。

また、14日には「米国・イスラエル戦略パートナーシップ・エルサレム共同宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が発表され、イランの核兵器保有阻止やアブラハム合意のさらなる深化などについて合意した。

イスラエル現地紙「グローブス」は15日、サウジアラビアがイスラエルを発着する全ての航空機に同国の領空を開放すると決定したことを報じた。米国ホワイトハウスも同日、今回のバイデン大統領訪問に向けて数カ月前から行われた外交の成果として、これを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同日付のイスラエル現地紙「ハアレツ」は、この決定によりイスラエルから東方への航空ルートが短縮されるため、20203月に就航が予定されていたものの、新型コロナ禍により延期が続いていた日本への直行便も実現できる可能性があるというエル・アル航空のコメントを紹介している。

今回のバイデン大統領の中東歴訪については、イスラエルとサウジアラビアの2国間関係の改善や進展に注目が集まっていた。サウジアラビアの領空開放については、かねて報道されていた範囲であり、今後さらに踏み込んだ動きにつながるかが注目される。

(太田敏正)

(イスラエル、米国、サウジアラビア)

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