九州・沖縄の4県が連携して焼酎・泡盛をプロモーション

(香港、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄)

香港発

2022年07月15日

熊本県、宮崎県、鹿児島県および沖縄県は628日、香港日本産食品等輸入拡大協議会(2020年6月10日記事参照)に「焼酎・泡盛分科会」を設立した。4県はいずれも焼酎・泡盛の生産県で、香港に駐在員を配置し、県産品の現地販路開拓に向けた取り組みを行ってきた。

日本から香港への酒類の輸出では、日本酒(清酒)は、和食の広がりとともに輸出額が年々拡大している。一方、焼酎や泡盛は、日本で長い歴史を持ちながらも輸出額が停滞している。

同分科会では、焼酎・泡盛の生産流通プロセスにおける川上(産地、輸出者)から川下(輸入者、小売・飲食店)までの関係者が官民一体となって、香港における焼酎・泡盛プロモーションのプラットフォームを構築、認知度向上および販路拡大・輸出拡大を図る。

分科会の代表を務める板東良明熊本県香港事務所長は「4県は競合関係にあるが、まずは協力して香港の皆さんに焼酎・泡盛を知って飲んでもらう土俵を作ることが重要。競い合うのは土俵が出来上がった後でよい」と、4県協力の意義を強調した。

分科会の大きな目的の1つである「焼酎・泡盛を知ってもらう」ため、630日から73日にかけて開催された「香港カクテル・フェスティバル」において、焼酎・泡盛のカクテルを提供した。同フェスティバルは、香港に拠点を置きファッション・情報雑誌を刊行するタトラー・アジア(Tatler Asia)が初めて主催。イベント会場は、一般消費者を中心に多くの来場者でにぎわった。同フェスティバルの開催期間中、630日および72日には焼酎・泡盛のワークショップも実施した。ワークショップでは、焼酎・泡盛と日本酒の違いを解説したほか、家庭でも焼酎・泡盛を楽しんでもらえるよう、焼酎の水割りやカクテル作りなどの体験を実施。参加者から大変好評だった。

国際焼酎利き酒師(注)の資格を持つ香港人女性からは「焼酎はアルコール度数が高いので、焼酎のカクテルは、初心者、特に女性に焼酎に親しんでもらう手段として良いと思う」との声も聞かれた。

写真 来場客でにぎわう会場の様子(焼酎・泡盛分科会提供)

来場客でにぎわう会場の様子(焼酎・泡盛分科会提供)

写真 焼酎・泡盛ワークショップの様子(焼酎・泡盛分科会提供)

焼酎・泡盛ワークショップの様子(焼酎・泡盛分科会提供)

写真 焼酎・泡盛をベースにしたカクテル(焼酎・泡盛分科会提供)

焼酎・泡盛をベースにしたカクテル(焼酎・泡盛分科会提供)

(注)日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が、提供販売者向けに付与する認定資格。焼酎を外国語で適切・適格に案内する「焼酎の提供・販売スペシャリスト」として認定するもので、試験により取得が可能。香港を含む諸外国・地域でも、現地教育機関と提携により認定試験を実施している。

(柴田祐作)

(香港、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄)

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