サル痘感染者数が増加も、入国規制措置は取らず

(ペルー)

リマ発

2022年07月28日

ペルー保健省(MINSA)は727日、ペルーの独立記念日(728日)の連休を前に、サル痘感染予防に関する注意喚起を行った。MINSAのエリサベス・ロハス・ララ保健プロモーション事務局長は、ペルーで初の感染者を確認以降(2022年6月28日記事参照)、MINSAで全国の医療従事者に対する研修強化(注)を実施してきたとしている。また同感染症の徹底的な感染患者の調査を行ってきた結果、8つの州で208人(そのうち27人は退院済み)の感染者を確認したと述べた。国立疫病対策センター(CDC-Perú)も725日付の報告第30-2022号で同じ感染者数を発表しており、中南米ではブラジルに次ぐ感染者数を記録している。地域別では、リマ都市部が190人で最も多く、その他はリマ州2人、カジャオ憲法特別県13人、ラ・リベルタッド州11人、イカ州3人、クスコ州2人、タクナ州1人、ロレート州1人、ピウラ州1人となっている(727日の最新速報値224人の内訳を記載)。

MINSAでは、526日の時点で水際対策としての疫病警報第012-2022PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発令し、空港や国境検問所などに対する注意喚起を行っている。同警報では、渡航前の規制(ワクチン接種や陰性証明書の提示など)は設けず、入国時に「38.5度以上の発熱」「頭痛」「筋肉痛」「腰痛」「無力症」「リンパ節の腫れ」などの症状がある場合は「感染の疑い」に分類され、症状が軽い場合は21日間の自宅隔離、症状が重い場合は病院隔離となる。さらに、前述の症状に加えて「発症21日前に感染者または感染疑いのある人物と接触している」「発症21日前までにサル痘流行国に滞在している」場合は「感染の可能性あり」に分類され、サル痘PCR検査を受けることになる。

(注)MINSA73日、同省省令第479-2022/MINSA号を公布して、全国の医療従事者に対してサル痘感染者に対する隔離治療対応方針「保健規定第187-MINSA/DGIESP-2022号」を承認しており、同規定に基づいて、リモート形式も含めて全国の医療従事者に対する研修セミナーが実施されている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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