米ロサンゼルス港湾局長、鉄道向けコンテナの混雑解消を呼び掛け

(米国)

ロサンゼルス発

2022年07月20日

米国西海岸のロサンゼルス市港湾局は713日、ジーン・セロカ局長と港湾・サプライチェーン特使のスティーブン・ライオンズ氏とのインタビュー動画を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。その中で、セロカ局長は、通常は2日間で処理可能な鉄道向けコンテナの平均滞留日数が7.5日まで上昇していると指摘し、輸入事業者や鉄道会社、海上ターミナル、船会社などの関係者に対して、鉄道向けコンテナの滞留問題に早急に対応する必要があると呼び掛けた。

米国西海岸の主要港であるロサンゼルス港とロングビーチ港では、ピーク時には100隻を超えるコンテナ船が滞留していたが、20222月ごろから混雑が緩和しており、715日現在では、27隻まで減少した。セロカ局長は「今年も半分が過ぎたが、停泊待ちの船舶の数を(ピーク時と比べて)75%減らすことができ、港湾労働者はより多くの船舶を効率的に処理できるようになった」と説明している。

他方で、鉄道向けコンテナの荷さばきの遅れにより、平均滞留日数が7日を超えている点について、セロカ局長は「通常時は9,000個台であるべき港湾内の鉄道向けコンテナがわれわれのドックに29,000個以上滞留している」と警戒感を示した。

注目されてきた米国西海岸港湾の労使交渉は、労使双方が71日の労働協約失効後も通常業務を継続することを表明し、当面の混乱は回避されている(2022年7月15日付地域・分析レポート参照)。そうした中、鉄道向けコンテナの遅延は、荷さばきの停滞を通じて再び港湾そのものの混雑につながる恐れがあることから、その動向は引き続き注目される。

(永田光)

(米国)

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