エリア4コーラル・サウス鉱区で天然ガス生産開始

(モザンビーク)

マプト発

2022年07月05日

モザンビークのエリア4コーラル・サウス天然ガス鉱区の開発を主導するイタリア資源大手エニは6月18日、同鉱区から天然ガス採掘を開始したと発表した。同鉱区はモザンビーク北部カーボ・デルガード州のタンザニアとの国境に近いロブマ盆地沖合に位置し、採掘した天然ガスは洋上の浮体式の液化天然ガス生産施設(FLNG)で処理される。

FLNGは2022年1月に鉱区海上に到着し、3月から5月にかけて係留と海底井戸との接続を行っていた。エニのプレスリリースによると、2022年下半期中に天然ガス輸出が始まる見込みで、同日に声明を発表したモザンビークのカルロス・ザカリアス鉱物資源エネルギー相も、年内の輸出開始見込みについて、同鉱区の開発は予定どおり進行中と報告している。

コーラル・サウスFLNGは年間340万トンのLNG生産能力を持ち、同鉱区の天然ガス埋蔵量は4,500億立方メートルと推計される。今回のFLNG建設プロジェクトはアフリカ地域初の洋上LNGプラント建設で、日揮グローバルとテクニップFMC、韓国サムスン重工が2017年に共同受注した。

同州北部ではそのほか、2019年に最終投資決定(FID)を発表したエリア1鉱区、FIDの発表が期待たれるエリア4ロブマ鉱区での大規模天然ガス開発プロジェクトが進行・計画中だ。もっとも、これらのプロジェクトは陸上LNGプラントを採用しており、同地域でのイスラム系武装勢力による治安情勢悪化の影響で停止状態になっている(2021年4月30日記事参照)一方、洋上LNGを採用するコーラル・サウス鉱区のプロジェクトは大きな影響を受けず、開発が進行していた。

(松永篤)

(モザンビーク)

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