米ミシガン州知事予備選、民主党は現職、共和党はトランプ氏支持の新人が勝利

(米国)

シカゴ発

2022年08月09日

米国ミシガン州で82日、中間選挙(118日)に向けて民主・共和両党の候補者を選出する予備選挙が行われた。知事予備選では、共和党から5人が立候補し、トゥーダー・ディクソン氏が得票率40.6%で勝利した。民主党は2期目を目指す現職のグレッチェン・ウィットマー州知事以外の候補者がいなかったため、同党候補に確定した。

ディクソン氏は、ドナルド・トランプ前大統領や、ミシガン州商工会議所、トランプ前政権で教育長官を務めたベッツィ・デボス氏を含む地元の共和党有力者らに支持されている保守派で、同州では初の女性の共和党指名候補だ。鉄鋼業界の元重役、保守派メディアのコメンテーターという経歴を持つ。母親に生命の危険がある場合以外の人工妊娠中絶や、銃など武器の携帯に許可証を必要とするミシガン州法には反対の立場を取り、ウィットマー知事が取った新型コロナウイルス流行初期のロックダウンにも批判的だ。

ウィットマー知事はディクソン氏の予備選勝利を受けて、「ディクソン氏はミシガン州を後退させることを明言している」とし、今回の中間選挙で焦点となっている中絶の権利に関しては、ディクソン氏の信条が「ミシガンの女性と家族にとって危険なものだ」とコメントしている。ウィットマー知事は予備選2日後からディクソン氏の中絶の権利に対する姿勢を批判するキャンペーンを開始した。

また、連邦下院議員や州務長官などの予備選挙も行われた。現在、同州の米下院14議席のうち、民主党と共和党がそれぞれ7議席を確保しているが、同州は2020年の国勢調査後に米下院の議席が14から131議席減少した。共和党は13選挙区、民主党は12選挙区でそれぞれ予備選が行った。第11選挙区の民主党予備選挙では、選挙区割りの変更に伴って2人の現職下院議員(ヘイリー・スティーブンス氏、アンディ・レビン氏)が対決し、スティーブンス氏が勝利した。

(星野香織)

(米国)

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