干ばつで2022年の小麦生産量の米国予測は前年比14.7%減

(ルーマニア)

ブカレスト発

2022年08月25日

深刻な干ばつが続いているルーマニアで、小麦の生産量が前年比で大幅に減少する見込みだ。

米国農務省(USDA)は812日更新の統計で、ルーマニアの2022年の小麦の生産量を前年比14.7%減の890万トンと予測している。なお、EU統計局(ユーロスタット)の729日更新の統計では、2022年の生産量を904万トンと予測しており、過去5年間(20172021年)の平均である965万トンと比較すると6.3%減となる。

ユーロスタットによると、ルーマニアの2021年の小麦生産量は1,139万トンと、EU内ではフランス、ドイツ、ポーランドに次いで多く、EU全体の8.2%を占めた。EU域内から域外への輸出量では、2021/2022市場年度(20217月~20226月)にフランスに次いで2番目に多い639万トンと、EU全体の23.9%を占めた。

欧州委員会の資料によると、コンスタンツァ港輸出FOB価格は、2021/2022市場年度初(20217月第1週)は1トン当たり218.54ユーロだったが、市場年度末(20226月最終週)には425.89ユーロとほぼ2倍になった。

ペトゥレ・ダエア農業・農村開発相は810日の記者会見で、2022年の小麦の収穫量が前年比で1518%減少しているが、輸出量は国内消費量を上回る量のみに限られるため、国内消費分は確保できると述べた(「SeeNews810日)

これに対し、ルーマニア農業生産者連盟(LAPAR)のラウレンチウ・バチウ会長は「国内消費用に250万トンが必要である」一方、「生産量は前年の約半分にすぎず、先月収穫された小麦の70%はすでに輸出用に振り向けられてしまった」「国は国家準備管理局を通じて小麦45,000トンを輸入すると発表したばかりだ」と、ダエア農業・農村開発相の発言の矛盾に反論した(「Ziarul NATIONAL81日)。

(西澤成世)

(ルーマニア)

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