インド工業連盟、アフリカ各国閣僚級との国際会議を開催

(インド、アフリカ)

ニューデリー発

2022年08月01日

インド工業連盟(CII)は71920日、インド輸出入銀行と共同で「インド・アフリカ成長パートナーシップ」と題した国際会議を首都ニューデリーで開催した。インド外務省と商工省の協力の下、同会議にはナイジェリアやガーナ、エチオピアなどアフリカ17カ国から閣僚級40人をはじめとする官民関係者が参加し、両地域間の連携可能性について協議した。

ピユシュ・ゴヤル商工相は719日の開幕式で、インドとアフリカ諸国は途上国として共通の利害を有している点を指摘した。202010月にインドと南アフリカ共和国が、新型コロナワクチンなど医療物資に係る知的財産の保護義務を一時的に免除することをWTOに提案して(2021年3月24日付地域・分析レポート記事参照)、アフリカ各国の賛同を得たことに言及し、両者は国際的な枠組みにおいても途上国を代表して国際的な課題に当たっているとした。また、スブラマニヤム・ジャイシャンカル外務相も同日、インドとアフリカ諸国が歴史的に近い関係にあった点を指摘し、国際情勢の不安定化に伴い両者連携の重要性が増していると述べた。

2021年度(20214月~20223月)の貿易統計によると、インドの対アフリカ輸出は403億ドル(全体の9.5%)、輸入は494億ドル(同8.1%)といずれも過去最高を記録している。インドがアフリカ諸国に精油や医薬品、穀物などを輸出し、原油、石炭、金などの鉱物資源をアフリカから輸入する構図だ。近年では、インドで「メーク・イン・インディア」などのスローガンのもとで製造業振興が図られる中、インド産の乗用車や自動二輪・三輪車、産業用機械などの対アフリカ輸出も拡大傾向にある。

また、CII2022720日に発表した報告書によると、インド企業による19964月以降の対アフリカ投資は累計740億ドルに上る。ただ、投資の多くはエネルギーや各種資源などの分野に集中しており、投資先としてはインド系住民が人口の過半数を占めるモーリシャス向けが多い。CIIは、投資の多角化が進めば、2030年までにインドの対アフリカ投資が累計1,500億ドルに達する可能性があるとしている。

(広木拓)

(インド、アフリカ)

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