国立疫病対策センター、サル痘最新情報を報告、リマ都市部で男性中心に拡大

(ペルー)

リマ発

2022年08月03日

ペルー保健省(MINSA)傘下の国立疫病対策センター(CDC-Perú)は729日、国内のサル痘感染症の現状に関するレポートを発表した。それによると、2022年第30週(7月第5週)の国内のサル痘感染者数は275人に上っており、その85.8%の236人がリマ都市部の34地区、残り39人が地方9州で確認されている。男女比としては、275人中1人のみが女性だ。

リマ都市部で最も感染者数が多いリマ中心部(118人)では、貧困層が多いサン・ファン・デ・ルリガンチョ地区が最も多い20人を記録し、富裕層が暮らすミラフローレス地区やサン・イシドロ地区でも、それぞれ8人の感染者が発生している。年齢別では、30代以上が全体の69.5%、1829歳が30.5%を占めている。感染源についてCDC-Perúでは、275人中2人が外国(スペインと米国)から持ち込まれたとしており、多くが市中感染と分析している。入院者数も、4人以外は全員が自宅隔離状態にあるとしている。

感染者の健康状態については、全体の70.2%(193人)がヒト免疫不全ウイルス(HIV)患者で、そのうち80.8%(156人)が抗レトロウイルス薬などの薬物治療を受けている。また、275人中の15.6%(43人)が梅毒などの性感染症の病歴があるとしている。感染は皮膚接触によることが多く、主な症状は「発疹」「発熱」「頭痛」「リンパ節腫脹(しゅちょう)」「倦怠感」。平均発症期間は4.17.2日と報告されている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

ビジネス短信 cfdd17f638eb7f6d