米小売市場のEC比率は世界6位、年内に売上高1兆ドル超えの見込み、米民間調査

(米国、中国、英国、韓国)

ニューヨーク発

2022年08月09日

米国の調査会社イーマーケターは85日、主要国の小売市場全体の売上高に占める電子商取引(EC)の売上高比率(EC比率)上位10カ国のランキングと市場見通しを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

それによると、中国はEC売上高、EC比率ともに首位の世界最大のEC市場で、2022年のEC売上高は28,790億ドルに達すると見込まれている。EC比率は45.3%と推定され、米国のEC比率の約3倍に達するとした。次いで、EC比率2位は英国(35.9%)、3位は韓国(30.1%)がランクインした(添付資料図参照)。米国のEC比率は15.0%と6位にとどまるものの、今後もEC市場の成長は長期にわたって継続するとみられている。

米国のビジネス・アドバイザリー・ファームFTIコンサルティング(FTI Consulting)によると、2022年に米国のEC売上高は1700億ドルに達すると見込まれる。同社は新型コロナウイルス感染拡大前に、米国のEC売上高が1兆ドルを超えるのは2025年と推定していたが、感染拡大によって外出自粛が求められる中、これまで実店舗で購入していた商品をECで購入するなどEC利用が加速したことから、以前の予測よりも3年程度早まることとなった。

この見通しについて、同社の小売り・消費財プラクティスのリーダー、JDヴィクサー氏は「新型コロナがECに与える影響は持続的という説得力ある証拠だ」と指摘した上で、「今後もEC市場は拡大し続けるものの、最近のインフレ圧力によって、その伸びは緩やかになり、2022年後半にかけて小売支出総額は鈍化する」との見通しを示した。

(樫葉さくら)

(米国、中国、英国、韓国)

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