米ウーバーイーツと自動運転技術のニューロ、食料品などの配達で10年間の事業提携へ

(米国)

サンフランシスコ発

2022年09月15日

米国のウーバーテクノロジーズ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)と自動運転車両(AV)開発メーカーのニューロ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は9月8日、無人自動運転の電気自動車(EV)を用いたフードデリバリーに関し、今後10年間にわたる業務提携を締結したことを発表した。

それによると、ニューロはデリバリー専用の無人車両を用いてウーバーイーツの利用者向けにレストランの食事や生鮮食料品店の商品などを届ける。今秋にはテキサス州ヒューストンとカリフォルニア州マウンテンビューで協業を開始し、今後はカリフォルニア州サンフランシスコベイエリアでサービスを拡大する予定としている。

今回の協業にはニューロのAV最新モデル「R3」が用いられる予定だ(「フォーブス」9月8日)。ニューロの発表によると、「R3」の荷物容量は27立方フィート(約765リットル)、耐荷重は500ポンド(約227キログラム)で、食料品を入れた袋を約24袋積むことができるとしている。また、一般的な乗用車と比べて車幅が20%小さく、華氏22~116度(摂氏マイナス5~46度)の範囲での保冷や保温にも対応している。最高速度は時速45マイル(約72キロ)で、車両外側の前面には歩行者用エアバッグも装備する。

ウーバーにとって今回の業務提携は、同社が力を入れる自動運転モビリティーと配送に関する取り組み拡大の一環となる。同社は2022年5月に自動運転技術を開発するモーショナル(本社:マサチューセッツ州ボストン)などと協業し、ロサンゼルス近郊での自動運転デリバリーサービスを試験的に開始すると発表した(2022年5月24日記事参照)。

ニューロの無人AV「R2」は2020年2月、完全無人の自動運転車両としては初めて、公道利用可能な車両だと米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)から認められた(2020年2月27日記事参照)。同年12月には、カリフォルニア州運輸局(DMV)から初となる公道での自動運転車両の商用利用の許可を取得した。さらに、同社はコンビニエンスストア大手セブン-イレブンとも協業し、2021年12月からカリフォルニア州で初の自動運転配送を開始している(2021年12月7日記事参照)。

(田中三保子)

(米国)

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