ドイツ化学大手BASF、広東省湛江市で建設中の化学品統合生産拠点の一部操業開始

(中国、ドイツ)

広州発

2022年09月21日

ドイツの化学大手BASF96日、建設中の化学品統合生産拠点(フェアブント拠点)の第1工場が中国の広東省湛江市で操業を開始したと発表した。

それによると、同工場ではエンジニアリング・プラスチック・コンパウンドを生産する。年間生産量は6万トンを予定し、自動車やエレクトロニクス製品などの業界の需要増に対応する。

同統合生産拠点全体の建設プロジェクトは20187月に正式に発表され、2030年までに総投資額約100億ユーロをかけて全面的な完成を目指している。BASFが外資単独で建設・運営するもので、同社にとって投資規模は過去最大、拠点の規模としては世界で3番目の大きさとなる。

今回操業開始となった第1工場のほか、2023年には熱可塑性ポリウレタン(TPU)の生産工場の稼働を予定している。2030年までにエチレンプラントとその他の川下の最終製品の生産工場を建設する。

BASFによると、第1工場で使用する電力は全て再生可能エネルギーを利用しており、2025年までには拠点全体の電力も再生可能エネルギーの利用を100%とすることを目標としている。

湛江市での投資を決定した理由について、BASFのマーティン・ブルーダーミュラー取締役会会長は「中国は世界の化学工業分野で市場シェアの40%を占めており、今後さらなる成長が見込まれる」と指摘している(「広州日報」96日)。その上で、湛江市の豊かな自然資源と優れた深水港湾、広東省の市場開放度の高さと世界有数の規模を誇る産業集積の存在などを選定要因として挙げている(同)。

(梁梓園)

(中国、ドイツ)

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