ケジャベコ銅鉱山プロジェクトに商業生産ライセンス発給

(ペルー)

リマ発

2022年09月29日

ペルーのエネルギー鉱山省(MINEM)は925日、同省プレスリリースで「ケジャベコ銅鉱山」計画の最終商業生産ライセンス発給を認可するMINEM局令第0891-2022-MINEM/DGM号を公布したと発表した。同鉱山はペルー南部モケグア州内に所在し、三菱商事とアングロアメリカン(AA)が共同出資している。

同件については、AAも同社ホームページでライセンス発給について報告。同鉱山での生産量は操業開始後10年間で年間平均30万トンに達成すると述べている。また、同社のベースメタル事業のルベン・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)はケジャベコ銅鉱山事業について「鉱山重機の自動運転技術をペルーで初めて導入するなど、デジタル技術を駆使する新技術を用いた銅回収技術を取り入れている。また、使用電力は再生可能エネルギー由来とするなど、環境対策にも注力したAA史上および南米史上最も革新的な鉱山の1つで、われわれが進める『Future Smart Mining』戦略を体現している」とコメントしている。

ケジャベコ銅鉱山(2022年7月13日記事参照)は20227月から鉱石処理プラントのテスト生産を開始したが、今回の最終ライセンス発給を得て、本格的な銅鉱石や副産物のモリブデンと銀の商業生産に入る。山命は約36年とされている。これまでの開発建設期間で約15,000人の雇用を生み、今後の生産活動では約2,500人の雇用創出効果が見込まれている。

ケジャベコ銅鉱山の総開発費は55億ドルに上り、ペルーの銅鉱石生産量を約15%増産させると言われている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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