スタートアップ法が成立

(ナイジェリア)

ラゴス発

2022年10月31日

ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は10月19日、スタートアップ法案(NSB)に署名し「ナイジェリア・スタートアップ法2022」が成立した。同法案は2021年5月にナイジェリアのテックリーダーおよび複数の政府機関の協力のもと発表されたもので、2021年12月に連邦評議会で承認(2022年1月6日記事参照)、2022年7月に上院で可決されていた。

この法律の目的は、ナイジェリアにおけるスタートアップの発展のための法的および制度的枠組みを提供し、規制面の支援、税制・財政上の優遇措置、資金調達、トレーニングなどに関する規定を定めている。本法律は「スタートアップ・ラベル取得済み企業」を対象としており、設立から10年以内の有限会社で、株式の51%以上を1人以上のナイジェリア人が保有していることが条件。スタートアップ・ラベルを取得すると、当該スタートアップおよび従業員や投資家が以下の税制上の優遇措置を受けることができる。

  • 企業:パイオニア・ステータス優遇制度で指定される、テクノロジーや農業などの重要な産業に携わる企業に、最大3年間の法人所得税減税を適用(さらに最長2年間の延長可能)。従業員10人以上(うち6割超が未経験者)かつ、卒業後3年以内の新卒者を雇用する企業に対して、発生した利益の5%を上限に所得税を減税。
  • 従業員:雇用後2年間、所得の35%について個人所得税の軽減措置を受けることができる。
  • 投資家:スタートアップへの出資額に対して最大30%の税額控除を受けることができる。

スタートアップ法が成立したのは、アフリカではチュニジア、セネガル、ケニアに次いで4カ国目となる。マリ、ガーナ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ルワンダ、エチオピアもスタートアップ法案を準備中だ。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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