サル痘ワクチンの第1便到着、接種は重篤化リスク高い人が対象

(ペルー)

リマ発

2022年10月31日

ペルー保健省(MINSA)は10月27日、デンマークの医薬品企業ババリアン・ノルディックが生産するサル痘ワクチン「ジニオス(JYNNEOS)」の第1便(5,600個)がペルーの空港倉庫に到着し、国立保健物資戦略調達センター(CENARES)を通じて同省が受け取ったとプレスリリースで発表した。第2便は11月16日に4,200個到着する予定で、政府が購入した9,800個がそろうことになる(2022年9月26日記事参照)。MINSA公衆衛生戦略支援局(DGIESP)のアレクシス・オルギン・ルイス医師は、今回の第1便は約2万8,000回分に相当しており、サル痘ワクチンは2回接種(注)が必要なため、重篤化感染リスクの高い人々約1万4,000人分への接種が可能になるとコメントしている。

オルギン医師によると、ワクチン接種は新型コロナウイルスワクチンのようには大規模でなく、脆弱(ぜいじゃく)で重篤化の危険性の高い人々を対象に限定的に行われるとしている。具体的には、HIV患者などこれまでの病歴などから感染率の高い層向けに、MINSAと社会保険庁(ESSALUD)、軍部、民間医療機関の協力を得て行うとしている。地域別では、サル痘感染者が最も多いリマ州や、カジャオ憲法特別県、ラ・リベルタッド州、アレキパ州から始める。

国内のサル痘の現状について、CDC-Perúのウェブ上サル痘情報管理室(SALA SITUACIONAL DE LA VIRUELA DEL MONO)は10月28日、累計感染者数が3,110人に上っていると発表した(うち90.9%の2,826人は既に隔離期間終了)。一方、1日当たりの感染者数は8月15日の74人をピークに減少しており、10月18~22日には感染者は全国で1日当たり10人以下の状況が続いている。

(注)2回目接種は1回目から28日後の予定。18歳以下は対象外。

(設楽隆裕)

(ペルー)

ビジネス短信 34fcf8fa19bcfa9d