日本カナダ両外相、自由で開かれたインド太平洋地域に資するアクションプランに合意

(カナダ、日本)

トロント発

2022年10月13日

カナダのメラニー・ジョリー外相は10月11日、林芳正外相と東京で会談し、両外相が自由で開かれたインド太平洋地域に資する日加アクションプランに合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同アクションプラン(英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))では、(1)法の支配、(2)平和維持活動、平和構築、人道支援・災害救援、(3)健康安全保障、新型コロナウイルス感染症への対応、(4)エネルギー安全保障、(5)自由貿易の推進と貿易協定の実施、(6)環境、気候変動の6分野で、カナダと日本の共有ビジョン推進に向けたロードマップを提示している。

中でも(1)法の支配では、情報共有を促進し、防衛調達を支援する情報保護協定締結に向けた交渉を開始することなどで一致した。(2)平和維持活動、平和構築、人道支援・災害救援では、日本の「国連三角パートナーシップ・プログラム」やカナダの「軍事訓練協力プログラム」を通じた平和活動での協力や、日加物品役務相互提供協定(ACSA)を含む自衛隊とカナダ軍との協力継続などを確認した。

(3)健康安全保障、新型コロナウイルス感染症への対応では、ワクチン、検査、治療への公平なアクセスの提供、国民皆保険の促進、関連するフォーラムにおける国民皆保険に関する議論の活性化に関する協力強化などを約束した。(4)エネルギー安全保障では、カナダから日本への安定的かつ信頼性の高いエネルギー供給促進事業の推進などを確認した。(5)自由貿易の推進と貿易協定の実施では、経済的威圧や不公正な貿易慣行を容認せず、環太平洋パートナーシップに関する包括的かつ先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の精神と原則を堅持することを確認するとともに、WTO改革に取り組む意思を表明した。(6)環境、気候変動では、日加閣僚級対話を通じた気候・環境に関する協力や、パリ協定の着実な実施、海洋プラスチック汚染への取り組み、2025年の大阪・関西万博を含め、持続可能なカーボンニュートラルの取り組みを引き続き推進することを確認した。

会談で両外相はこのほか、ロシアによるウクライナ侵攻をあらためて非難し、引き続き協力を続けてロシアに対処していくことを約束した。また、台湾海峡や南シナ海、東シナ海を巡る中国の動きなど、地域の安全保障問題に関する共通の懸念についても話し合い、インド太平洋地域全体の平和と安全、安定を脅かす北朝鮮の最近の弾道ミサイル発射の継続を非難した。

ジョリー外相は次期G7議長国の日本に対するカナダの確固たる支持を再確認し、両外相は今後さらに建設的な議論が行われることを期待しているとした。

ジョリー外相は10月11~13日の日程で外務省賓客として訪日している。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

ビジネス短信 3a325953a177d894