新年度のカカオ出荷開始、生産者価格を引き上げ

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年10月06日

世界最大のカカオ豆生産国であるコートジボワールで10月1日から、2022/2023収穫年度(2022年10月1日~2023年9月30日)のカカオ豆出荷が始まった。

これに先立ち、同国のメイリエ・コネ副大統領は9月30日、第8回全国カカオ・チョコレートデー(JNCC)のオープニングで、新年度のメインクロップ(2022年10月~2023年3月)の生産者買い上げ保証価格を前年度より9%引き上げ、900CFAフラン(約198円、1CFAフラン=約0.22円)に設定したと発表していた。

コネ副大統領は、インフレの高まりやウクライナ情勢の影響など、多くの不確実性を伴う状況の中だが、コートジボワール経済に重要な役割を果たすカカオ生産者の利益を最大限に確保したいという政府の方針は変わらないと述べた。政府は2012年にカカオ分野の改革に着手して以降、生産者価格を最低でもCIF価格の60%の水準を保証しており、カカオ生産者の所得はこの10年間で16兆CFAフランにのぼったという。

また、同副大統領は、コートジボワール政府が取り組む森林破壊ゼロの原則をカカオバリューチェーンに組み込むことを決定した、カカオ産業界のイニシアチブを称賛した。政府は持続可能なカカオ産業の構築に向けバリューチェーンの透明化とトレーサビリティーの確保に取り組んでおり、農家の収入向上、品質の改善、違法な児童労働や森林伐採を防止するため農業センサスや農地のマッピングによる管理強化を進めている。

なお、コートジボワールのカカオ分野はGDPの15%、輸出収入の40%を占めている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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