米KBR、イタリア・テクニモントからブルーアンモニアプロジェクト受注

(米国、イタリア、オランダ)

ヒューストン発

2022年10月04日

アンモニア製造で独自技術を有する米国KBR(テキサス州ヒューストン)は10月3日、設計・調達・建設(EPC)請負会社のイタリアのテクニモント(本社:ミラノ)から、オランダ化学肥料大手OCI(本社:アムステルダム)の米国でのブルーアンモニア(注1)プロジェクトに関して契約したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同契約により、KBRは年間110万トンのブルーアンモニア製造に向けて、テクニモントに対して技術ライセンスや基本設計、独自装置、触媒を供給する。このプロジェクトは2025年までの完成を目指しているが、将来的にグリーン水素(注2)が大規模に利用できるようになれば、ブルーアンモニアからグリーンアンモニア(注3)の製造に移行できるよう設計されているという。

KBRの技術担当プレジデントのダグ・ケリー氏は「今回のエネルギー転換プロジェクトに当社のアンモニア技術を提供し、OCIやテクニモントとの関係を一層強化できることをうれしく思う」と述べ、KBRが脱炭素化技術の実装でリーダーシップを有するさらなる証しになるとして、契約の意義をアピールした。

KBRのアンモニア製造プロセスは、生産製造量ベースで世界シェアの約50%を占めるとされ、KBRは2022年4月に日揮ホールディングスと、8月には米国エネルギー関連エンジニアリング大手のマクダーモット・インターナショナルと、それぞれアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結している(2022年8月4日記事参照)。

(注1)天然ガスから製造されるアンモニアで、製造時に排出される二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)や回収・利用・貯留(CCUS)などによって分離・除去されたもの。

(注2)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない水素。

(注3)再生可能エネルギーによって発電された電力、水、窒素を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(沖本憲司)

(米国、イタリア、オランダ)

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