2年半ぶりにベネズエラとの間で定期直行便が就航

(ベネズエラ、コロンビア)

ボゴタ発

2022年11月11日

パンデミック以降、完全停止していたベネズエラ~コロンビア間の直行便が約2年半ぶりに再開した。ベネズエラのトゥルピアル航空およびコロンビアのサテナ航空がそれぞれ11月7日と9日に、ベネズエラの首都カラカスとコロンビアの首都ボゴタ間を結んだ。トゥルピアル航空はボーイング737-400(150席)を使用し、月・土の週2便の定期便として就航予定としている。小型機エンブラエル145(50席)を使用するサテナ航空のフライト頻度は、現状では水曜日の週1便とされているが、11月28日にはコロンビアのバランキジャ市とカラカス間でも新規就航すると発表している。

両国間の政治的な対立による国交停止の影響から、2019年2月から直行便はコロンビアのウィンゴ航空の便のみとなっていた。その後、同便も停止に至ったのはパンデミックによるものだったが、今回の再開は両国間の政治的緊張緩和による関係改善を示すものと捉えられている。カラカスとボゴタ間の直行便による移動時間は1時間半程度だが、これまでパナマかドミニカ共和国経由で移動するのが一般的だった。

8月にコロンビアで左派のペトロ政権が誕生したのをきっかけに、大使の相互派遣や陸上輸送再開など両国間の関係改善が進んでいる。こうした動きに呼応するかたちで、上記2社のほか、ウィンゴ航空、LATAM航空、アビアンカ航空、ラセル航空、アビオール航空など両国に拠点を持つ航空各社が、両国主要都市間を結ぶ直行便の再開に名乗りを上げており、フライトスケジュールなどの詳細に関する両国航空当局の認可を待っている状態だ。一方、ベネズエラの国営航空会社コンビアサは、米国による経済制裁の対象となるため、コロンビア側の認可が不可能となっている。このことについて、11月9日のサテナ便に搭乗したコロンビアのギジェルモ・フランシスコ・レジェス運輸相は、カラカス市郊外のマイケティア国際空港で「ペトロ政権は米国政府に対し、コンビアサ航空のコロンビアとの商業輸送を阻害する制裁を見直すよう要請した」と話した。

(マガリ・ヨネクラ、豊田哲也)

(ベネズエラ、コロンビア)

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