商業省、国境貿易の輸入決済は銀行決済のみ認めると発表

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年11月10日

ミャンマー商業省貿易局は10月31日、周辺国との国境貿易の輸入は、銀行決済のみを許可すると発表した(11月3日付国営紙PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。国際的な基準策定機関の金融活動作業部会(FATF)の報告書を受け、金融決済にかかるコンプライアンスを強化するとともに、国境貿易の輸出入プロセスで、銀行の決済システムを体系的に活用するためとしている。FATFは10月21日、資金洗浄・テロ資金供与対策が不十分として、ミャンマーをブラックリストに追加すると発表していた(2022年10月27日記事参照)

今後、国境貿易の輸入決済に使用できる外貨は、輸出で獲得した収入や、ミャンマー人の国外出稼ぎ労働者が送金した収入を原資として使用する必要がある。輸入プロセスは以下のとおりで、まずはミャンマーとタイ間の国境貿易で試験的に導入する。

  1. 輸入ライセンス申請時に、銀行が発行した入金通知書(Credit Advice)と取引明細書(Bank Statement)の原本を商業省貿易局に提出する。
  2. 貿易局は、企業が提出した輸出による収入やその他の収入額を精査し、銀行口座の残高を超えない範囲で輸入ライセンスを与える。
  3. 輸入ライセンスを必要としない輸入品の場合も、銀行が発行する入金通知書と取引明細書の原本を通関時に税関に提出しなければならない。

この輸入手続きは11月1日からの開始で、10月31日までに輸入ライセンスを申請した申請者には適用しない。しかし、そのライセンスによる輸入手続きは11月30日までに完了しなければならず、完了しない場合、輸入ライセンスは失効する。また、輸入決済に使用できる外貨は2022年4月1日以降に輸出で獲得した収入やその他の収入のみ使用できる。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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