香川県企業のタイ進出をオンライン商談会で後押し

(タイ、香川)

アジア大洋州課

2022年12月28日

ジェトロ香川と香川県は11月21日~12月2日を集中会期として、「香川県タイオンライン商談会」を開催した。同商談会に参加した中小企業が現地企業との関係を構築し、タイ進出を加速させるなどの成果も見られた。

商談会には県内企業8社、在タイ企業40社が参加した。同商談会は、今後、成長が期待される東南アジアなどへの展開を目指す企業に対し、現地企業などとのマッチング機会を提供して、県内企業の海外販路開拓支援を行うことを趣旨としている。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、一国集中で販路開拓や部材などの調達を行うことのリスクが浮き彫りとなった。同商談会は、想定していないリスクを吸収・低減し、複数の販路・調達チャネルを構築することを目的としてオンラインで開催したもの。

商談会には、商社、食品製造業など多様な業種の在タイ企業がバイヤーとして参加し、日本の製品に対する現地企業の関心の高さがうかがえた。香川県内からは、水道機器、福祉・介護関連機器、美容・健康関連製品などさまざまな製品を取り扱う企業が参加した。商談会では、ジェトロが行う事前マッチングの結果、マッチングした在タイ企業と香川県内企業が、オンライン会議システムを用いて直接商談を行った。

香川県内企業として商談会に参加した、インフラ関連事業やIoT(モノのインターネット)関連事業などを手掛ける技術系商社の大豊産業(香川県高松市)は2022年12月、タイに駐在員事務所を設立した。2023年上期には現地法人の設立を行う予定だ。同社の乾和行社長は「(昨年度から同商談会に参加しているが、)新型コロナ関連の規制が厳しい間はタイに渡航することができなかった。実際に現地へ渡航し、関係者と会わなければビジネスは進まないが、渡航ができない期間にオンラインで商談を行い、自社で開発した「ロボコッコ」(鶏舎内を巡回、死亡した鶏を検知するロボット)などの製品を通じて、大手財閥CPグループなど現地企業と関係を構築することができた。その結果、今回の迅速な進出につながった」と商談会の効果について語った。

(糸川更恵)

(タイ、香川)

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